SNS型投資詐欺が約426億円増|令和8年最新統計

SNS型投資詐欺が約426億円増|令和8年最新統計を3行で要約
  • 令和8年1〜5月の特殊詐欺は被害額1,514.7億円(暫定値)で、前年同期を大きく上回るペースだ
  • 被害額の増加分のうち約8割弱をSNS型投資詐欺が単独で占めたという異常な集中ぶりを見せた
  • 電話一本型への警戒だけでは足りず、SNS上の必ず儲かる投資話こそ今いちばんの警戒対象だ
SNS型投資詐欺の非公開グループに誘われた会社員が全財産を失う流れを描いた4コマ漫画
①SNS広告で限定投資グループに招待され油断する。②出金しようとすると手数料を要求され焦る。③グループが消え口座も連絡不能で全財産を失う。④賠償罪子が疑うと損をする空気こそ罠だと断じる。

この4コマの主人公が最初に壊されたのは、財布ではなく判断の順序でした。限定グループに招かれた高揚感が先に来て、疑うという工程が後回しになります。SNS型投資詐欺は、著名人になりすました広告や非公開グループで期待感をふくらませ、冷静な検証をさせない設計になっています。

法的に見れば、これは元本保証をうたう無登録業者による典型的な詐欺の構図です。出金時に手数料や税金を追加請求してくる時点で、正規の投資ではあり得ません。お金を出す前ではなく引き出す時に条件が増えるのは、資金を回収する側の都合でしかないのです。

防ぐ鍵は、限定という言葉に反応しないことに尽きます。金融庁の登録業者かを確認し、SNSで完結する投資話は一度手を止めましょう。統計が示す通り、いまSNS型投資詐欺は被害額を最も押し上げている手口であり、誰もが狙われている前提で身構える必要があります。

スマホを開けば、著名人の顔写真つきで必ず儲かるとうたう投資広告が流れてくる時代です。あなたも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

その広告、実はいま日本でもっとも被害額を押し上げている詐欺の入口かもしれません。警察庁が2026年7月3日に公表した最新の暫定統計では、特殊詐欺の被害増加分の大半が、たった一つの手口に集中していました。

この記事では、令和8年(2026年)1〜5月の特殊詐欺統計を、数字が苦手な人にも伝わるかたちで読み解きます。総額の億円ではなく、1件あたりいくら奪われているのかまで換算して、いま何を警戒すべきかをはっきりさせます。

令和8年1〜5月の特殊詐欺は被害額いくら?

令和8年(2026年)1〜5月の特殊詐欺は、認知件数18,067件・被害額1,514.7億円(いずれも暫定値)でした。前年同期比で件数は+2,826件、被害額は+547.3億円と、件数・金額の両方が大きく増えています。

まず全体像を主要な手口ごとに整理します。以下はすべて令和8年1〜5月累計の暫定値で、警察庁が公表した前年同期比の数値をそのまま引用しています。

手口 認知件数(前年同期比) 被害額(前年同期比)
特殊詐欺 全体 18,067件(+2,826件) 1,514.7億円(+547.3億円)
SNS型投資詐欺 5,099件(+2,843件) 700.4億円(+426.3億円)
ニセ警察詐欺 3,667件(−162件) 403.2億円(+78.5億円)
SNS型ロマンス詐欺 2,056件(+6件) 202.0億円(+7.7億円)
架空料金請求詐欺 2,519件(+73件) 61.5億円(+2.3億円)
オレオレ詐欺 1,472件(+102件) 54.6億円(−0.4億円)
還付金詐欺 1,146件(−379件) 25.5億円(−4.1億円)
預貯金詐欺 386件(−377件) 3.6億円(−4.6億円)
上記はすべて令和8年5月末時点の暫定値です。確定値ではないため、今後の集計で数値が動く可能性があります。出典:警察庁「令和8年5月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について」(2026年7月3日公表)。

この表で真っ先に目を向けたいのは、被害額の増え方が手口ごとにまったく違うという点です。増えているところと減っているところがはっきり分かれています。

罪対ペイ運営者 賠償罪子が特殊詐欺の最新統計を分析するアイコン
賠償罪子

全体で547.3億円増えたという数字を、まず頭に入れてください。この増加分がどこから来たのかを追うと、この統計の本当の顔が見えます。

被害増加の約8割弱がSNS型投資詐欺

被害額の増加分547.3億円のうち、SNS型投資詐欺だけで+426.3億円を占めています。全体の増加の約8割弱が、この一つの手口に集中しているという構図です。

SNS型投資詐欺は認知件数5,099件・被害額700.4億円(暫定値)。件数は前年同期比で+2,843件と大幅に伸び、被害額も+426.3億円と突出しています。件数の伸びと金額の伸びが同時に起きているのが、この手口の危険なところです。

1件あたりの被害額に換算すると桁が違う

総額の700.4億円と言われてもピンと来ないので、1件あたりに換算してみます。以下は筆者が公表件数と被害額から単純に割って算出した概数で、警察庁が公式に発表した数値ではありません。

手口 1件あたり平均被害額(筆者算出・概数) 算出式
SNS型投資詐欺 約1,373万円 700.4億円 ÷ 5,099件
オレオレ詐欺 約371万円 54.6億円 ÷ 1,472件
還付金詐欺 約222万円 25.5億円 ÷ 1,146件

SNS型投資詐欺は1件あたり約1,373万円。オレオレ詐欺の約371万円や還付金詐欺の約222万円と比べると、一度引っかかったときに奪われる金額の桁が違います。件数が伸びているだけでなく、1件の被害も大きいのです。この二重の重さが、被害総額を押し上げている正体です。

SNS型投資詐欺は件数の伸び1件あたりの被害の大きさの両方で突出しています。少ない件数で大金を奪う設計になっており、一度の被害が人生設計を壊す規模になりやすいのが特徴です。
罪対ペイ運営者 賠償罪子がSNS型投資詐欺の1件あたり被害額を指摘するアイコン
賠償罪子

大型詐欺は必ず、疑うと損をする空気を先に作ります。非公開グループや限定情報という言葉は、その空気を作るための装置です。金が動くのは、いつも空気ができた後です。

手口の主戦場は電話からSNSへ移った

令和8年の統計は、詐欺の主戦場が電話・対面型からSNS・ネット完結型へ移りつつあることを示しています。手口ごとに増減の方向がはっきり分かれているのが根拠です。

増加しているのはSNS型投資詐欺(+2,843件・+426.3億円)、ニセ警察詐欺(被害額+78.5億円)、架空料金請求詐欺(+73件・+2.3億円)、オレオレ詐欺(+102件)です。一方で、電話で役所や銀行員をかたる古典的な手口である還付金詐欺(−379件・−4.1億円)や預貯金詐欺(−377件・−4.6億円)は件数・金額ともに減っています。

もちろん電話型がゼロになったわけではありません。ニセ警察詐欺は被害額が+78.5億円と伸びており、電話を入口にする手口も形を変えて残っています。それでも金額のインパクトで見れば、いまの中心はSNSに移ったと言える数字です。

令和8年から警察庁は特殊詐欺の統計分類を再編しています。急増するニセ警察詐欺を独立した手口として位置付け、従来は別枠だったSNS型投資・ロマンス詐欺を特殊詐欺の一手口に含めるようになりました。このため、令和7年以前の「特殊詐欺」総数と令和8年以降の総数は集計範囲が異なり、単純比較できない場合があります。本記事の前年同期比は警察庁の公表資料内で算出された数値を引用しています。出典:警察庁「特殊詐欺の認知・検挙状況等について」。
罪対ペイ運営者 賠償罪子が詐欺の主戦場がSNSへ移った構図を語るアイコン
賠償罪子

技術は新しい手口を生みます。電話を切る訓練をしている間に、犯人はSNSへ引っ越しました。守るべき場所が変わったことを、この数字は告げています。

SNS型投資詐欺から身を守る具体策は?

SNS型投資詐欺を防ぐ最大のコツは、限定という言葉に反応して急がないことです。統計が示す通り、いま最も被害額を押し上げている手口を意識して、次の3点を習慣にしてください。

1. SNSで完結する投資話は一度手を止める

著名人になりすました広告、DMでの勧誘、非公開グループやアプリへの招待は、それ自体が警戒信号です。SNS上だけで話が進み、電話や対面での正規の説明がない投資は、まず疑ってかかるのが正解です。

2. 必ず儲かる・元本保証は嘘だと決めてかかる

必ず儲かる、元本保証、あなただけの限定枠。こうした言葉は、疑う気持ちを先に潰すための道具です。1件あたり約1,373万円という被害の重さを思い出し、うまい話ほど距離を取ってください。

3. お金を出す前に登録業者かを確認する

正規の金融商品を扱う業者は登録が必要です。投資を持ちかけられたら、入金の前に金融庁の登録業者リストで名前を確認しましょう。出金時に手数料や税金を追加で要求してきたら、その時点で詐欺を強く疑うべきです。

SNS型投資詐欺の見分け方チェック:(1)SNSやDMだけで話が進む(2)非公開グループ・限定情報をうたう(3)必ず儲かる・元本保証と言う(4)出金時に追加のお金を求められる。一つでも当てはまれば、送金を止めて距離を取るのが賢明です。

次回統計で見るべきポイント

次回以降の公表で注目すべきは、SNS型投資詐欺の被害額が上半期・通年でどこまで伸びるかです。今回は令和8年5月末時点の暫定値であり、確定値や6月以降の累計で傾向が続くかどうかを確認する必要があります。

あわせて、被害額が伸びているニセ警察詐欺の動きにも注意が必要です。電話型が減るなかで金額を伸ばしている点は、手口の巧妙化を示している可能性があります。分類再編の影響もあるため、前年との比較は集計範囲の違いを念頭に読み解くのが安全です。

  • 令和8年1〜5月の特殊詐欺は被害額1,514.7億円・前年同期比+547.3億円(暫定値)と急増した
  • 増加分の約8割弱を占めたのは1件あたり約1,373万円のSNS型投資詐欺
  • 次の一手は、SNSで完結する投資話を一度止めて登録業者を確認することだ

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よくある質問

Q
SNS型投資詐欺の被害額はどのくらい増えていますか?
A

令和8年1〜5月のSNS型投資詐欺の被害額は700.4億円で、前年同期比+426.3億円です(暫定値)。特殊詐欺全体の被害額増加分547.3億円のうち、約8割弱をこの手口だけで占めています。

Q
1件あたりの被害額はどの手口が大きいですか?
A

SNS型投資詐欺が突出しており、1件あたり約1,373万円です(筆者が公表件数と被害額から算出した概数)。オレオレ詐欺の約371万円、還付金詐欺の約222万円と比べても桁違いに大きく、一度の被害が人生設計を壊す規模になりやすい点が特徴です。

Q
電話の詐欺は減っているのですか?
A

電話を入口にする一部の手口は減少しています。還付金詐欺は認知件数−379件、預貯金詐欺は−377件でした(暫定値)。ただしニセ警察詐欺は被害額が+78.5億円と伸びており、電話型が形を変えて残っている点には引き続き注意が必要です。

Q
今回の数値は前年と単純に比べてよいですか?
A

単純比較には注意が必要です。警察庁は令和8年から特殊詐欺の統計分類を再編しており、令和7年以前の総数と令和8年以降の総数は集計範囲が異なる場合があります。本記事の前年同期比は警察庁の公表資料内で算出された数値をそのまま引用しています。

出典・参考リンク

本記事の数値は、以下の警察庁の公表資料(暫定値)に基づいています。

  • https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/260703/01.html令和8年5月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値・2026年7月3日公表)|警察庁
  • https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/assets/img/new-topics/detail/260703/01/01.pdf同・詳細広報資料PDF|警察庁
  • https://www.npa.go.jp/publications/statistics/sousa/sagi.html特殊詐欺の認知・検挙状況等について(令和8年の分類再編の説明)|警察庁

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