SNS型投資・ロマンス詐欺とは何か
SNS型投資・ロマンス詐欺は、LINE、Instagram、Facebook、マッチングアプリなどのSNSを通じて被害者に接触し、投資や恋愛感情を利用して金銭をだまし取る犯罪です。2024年にはこの手口による被害額が1,268億円に達し、特殊詐欺の被害額721.5億円を上回りました。
従来の特殊詐欺が主に電話を使い高齢者を狙っていたのに対し、SNS型詐欺は20代から50代の働く世代を中心に被害が広がっている点が大きな特徴です。警察庁はこの深刻な状況を受け、SNS型投資・ロマンス詐欺を独立した統計項目として集計しています。
投資詐欺型の典型的な手口
投資詐欺型では、SNS上の広告や投資コミュニティを通じて被害者を勧誘します。著名人の名前や写真を無断使用した偽広告で信頼を獲得し、LINEグループに招待して偽の投資実績を見せることで、大きな利益が出ると信じ込ませます。
最初は少額の「利益」を出金させて信頼を深め、その後に高額の追加投資を求めるのが典型的なパターンです。出金を求めると「税金」「手数料」などの名目で追加入金を要求され、最終的に連絡が途絶えます。この構造はポンジスキームの変形と言えるでしょう。
ロマンス詐欺型の典型的な手口
ロマンス詐欺型では、マッチングアプリやSNSで恋愛関係を装い、数週間から数ヶ月かけて信頼関係を構築します。海外在住の軍人や医師、ビジネスマンを装うケースが多く、「会いに行くための渡航費」「急な手術費」「税関で荷物が止まった」などの理由で送金を要求します。
近年ではAI生成の顔写真やディープフェイク動画を使用するケースも報告されており、見破ることが一層困難になっています。ビデオ通話を求めても「回線が不安定」と拒否されるのが典型的な特徴です。
被害者の特徴と狙われやすい人
SNS型詐欺の被害者は、年齢層が従来の特殊詐欺より若い傾向があります。投資詐欺型では30代から50代の会社員や自営業者が、ロマンス詐欺型では30代から60代の独身者や離婚経験者が多く被害に遭っています。
共通する特徴として、SNSやインターネットをある程度使いこなせる層であること、資産形成や人間関係に対する潜在的なニーズを持っていることが挙げられます。学歴や職業に関係なく、医師や弁護士、経営者が被害に遭うケースも多数報告されています。
被害に遭う心理的メカニズム
投資詐欺では「周囲が儲けているのに自分だけ出遅れたくない」という心理(FOMO: Fear of Missing Out)が利用されます。LINEグループで他の参加者が利益を報告している様子を見て「自分も参加しなければ」と焦る気持ちが判断力を鈍らせるのです。
ロマンス詐欺では「この人は本当に自分のことを想ってくれている」という信頼の錯覚が利用されます。長期間の交際を通じて構築された感情的な絆があるため、送金を求められても「困っている大切な人を助けたい」と考えてしまいます。
2024年・2025年の被害データ
警察庁の統計によると、2024年のSNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数は前年から大幅に増加しました。被害額は1,268億円で、特殊詐欺の721.5億円を大きく上回っています。
2025年上半期のデータでは、特殊詐欺とSNS型詐欺を合算した被害額が過去最悪のペースで推移しています。被害者の年代は30代が最も多く、次いで20代と40代が続いています。かつての「詐欺は高齢者の問題」という認識は完全に過去のものとなっています。
偽広告と著名人の悪用問題
SNS型投資詐欺で特に問題となっているのが、著名人の顔写真や名前を無断使用した偽広告です。実在する経営者や投資家の写真を使い、「この人が推薦する投資法」として偽の投資セミナーや投資アプリに勧誘します。
偽広告はFacebook、Instagram、YouTube、X(旧Twitter)など主要なSNSプラットフォームに掲載されており、プラットフォーム事業者の審査をすり抜けています。被害者は「大手SNSに掲載されている広告だから安心」と考えてしまいがちですが、SNS広告に掲載されているからといって安全性は保証されません。
SNS型詐欺被害を防ぐための具体的な対策
SNS型詐欺から身を守るためには、オンライン上の情報を鵜呑みにしない姿勢が基本です。SNSの広告やメッセージで紹介される投資案件は、金融庁の登録業者であるかを必ず確認しましょう。
金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で確認できない業者からの投資勧誘は詐欺と考えるべきです。また、会ったことのない相手への送金は、どんな理由であっても行わないことが鉄則です。
投資詐欺を見破るチェックポイント
「元本保証」「月利10%以上」「リスクゼロ」を謳う投資は、金融商品として経済的にあり得ません。正規の金融商品では元本保証と高利回りの両立は不可能であり、このような条件を提示された時点で詐欺と判断できます。
LINEグループでの投資実績の共有も疑いの目で見てください。グループ内の参加者の多くは「サクラ」(犯人側の協力者)であり、実績そのものが捏造されています。
ロマンス詐欺を見破るチェックポイント
会ったことのない相手から金銭的な援助を求められた時点で、詐欺を強く疑ってください。相手の写真をGoogle画像検索にかけること、ビデオ通話を求めること、実際に会おうと提案することが有効な確認手段です。
また、「海外に住んでいて会えない」「軍務中で電話ができない」「慈善活動で忙しい」といった理由で対面を避け続ける相手は、詐欺師である可能性が極めて高いと言えます。
対策チェックリスト
- SNS広告やメッセージ経由の投資勧誘を安易に信用しない。
- 投資先が金融庁の登録業者かを公式サイトで確認する。
- 会ったことのない相手に送金しない。理由が何であっても同じ。
- 著名人の推薦を謳う投資広告は偽物と考える。
- LINEグループでの投資実績は作り物の可能性が高い。
- 少しでも不審に感じたら、家族や友人に相談する。
- 被害に遭ったら警察と消費生活センターに速やかに届け出る。
関連用語
- 投資詐欺:SNS型投資詐欺の基本となる手口の全体像を解説する記事
- ロマンス詐欺:恋愛感情を利用して金銭を詐取する手口で、SNS型の一類型
- マッチングアプリ詐欺:ロマンス詐欺の入口として利用されるマッチングアプリの危険性
- ディープフェイク:AI生成の偽動画・偽画像がロマンス詐欺で信憑性を高めるために使用される
- ポンジスキーム:投資詐欺の古典的構造で、初期の「利益」で信頼させる手法はSNS型でも共通
よくある質問
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QSNS型投資詐欺と通常の投資失敗の違いは何ですか
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A
正規の投資では元本割れのリスクはありますが、出金自体は可能です。詐欺の場合は、出金を求めると手数料や税金名目で追加入金を要求され、最終的に元金も出金もできなくなります。
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Qロマンス詐欺の相手が本物か偽物か見分ける方法はありますか
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A
相手の写真をGoogle画像検索にかける、ビデオ通話を求める、会おうと提案するなどの方法があります。会ったことがない相手から金銭を求められた時点で、詐欺を強く疑うべきです。
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QSNSの広告経由で紹介された投資先は安全ですか
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A
SNSに広告が掲載されているからといって安全性は保証されません。著名人の偽広告もプラットフォームの審査をすり抜けています。投資先の安全性は金融庁の登録業者一覧で自分で確認してください。


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