YouTube著作権詐欺とは?虚偽申立で収益を横取り

詐欺事件
YouTube著作権詐欺とは?虚偽申立で収益を横取りを3行で要約
  • YouTube著作権詐欺とは、虚偽の著作権申し立てを行い、他人の動画の広告収入を横取りしたり、取り下げ料として金銭を恐喝する手口である
  • Content IDシステムを悪用して他人のオリジナル楽曲を先に登録し、本来の権利者の収益を奪うケースや、虚偽のDMCA申立を乱発してチャンネル閉鎖をちらつかせる恐喝が横行している
  • 2019年にはYouTubeが著作権トロールのクリストファー・ブレイディを提訴。2025年にはAIで生成した偽の動画でCEOを装うフィッシング攻撃も発生している

あなたのチャンネルに著作権ストライクを2件入れた。3件目を入れればチャンネルは消滅する。取り下げてほしければ150ドル払え――。2019年、Minecraftの実況者たちにこのようなメッセージが送られました。YouTubeの著作権保護システムは、本来クリエイターの権利を守るためのものです。しかしそのシステム自体が、詐欺師にとって強力な武器となっています。

この記事では、YouTubeの著作権申し立て制度を悪用して他人の収益を横取りし、チャンネル閉鎖を人質に金銭を要求する著作権詐欺の手口と対策を解説します。

YouTube著作権詐欺の3つの手口

YouTube著作権詐欺とは、YouTubeの著作権保護システムを悪用して不正に利益を得る行為の総称です。大きく3つの手口に分類されます。

手口1:Content IDの悪用による収益横取り

YouTubeのContent IDシステムは、著作権者がコンテンツを登録すると、一致する動画を自動検出して収益を権利者に振り分ける仕組みです。詐欺師はこのシステムを悪用し、他人のオリジナル楽曲やフリー素材を先に自分の著作物として登録します。すると、本来の権利者やフリー素材を使用したクリエイターの動画に自動で著作権申し立てが行われ、広告収入が詐欺師に流れるのです。

手口2:虚偽のDMCA申立による恐喝

YouTubeではDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づく申立を受けると、対象動画が削除されストライクが付与されます。3回ストライクを受けるとチャンネルが永久削除されるため、クリエイターにとってストライクは死活問題です。詐欺師はこの恐怖を利用し、虚偽のDMCA申立を行った後にクリエイターに連絡して、取り下げ料として75〜400ドル(ビットコインやPayPal)を要求します。

手口3:フィッシングによるアカウント乗っ取り

YouTubeの公式通知を装った偽メールでクリエイターのログイン情報を盗み、チャンネルを乗っ取る手口です。2025年にはAIで生成したYouTube CEOニール・モハンのディープフェイク動画を使い、収益化ポリシーの変更を口実にクリエイターを偽サイトに誘導する高度な攻撃も報告されています。

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賠償罪子

この詐欺の本質は、著作権保護というシステムが申立者優位に設計されている点にあります。虚偽の申立であっても、異議申し立てをしなければ収益は申立者に流れます。異議申し立てをしても最終判断は申立者側に委ねられるのです。つまり、泥棒が自分で裁判官を務める構造になっています。

YouTube v. ブレイディ訴訟と対策

2019年8月、YouTubeは著作権トロールのクリストファー・ブレイディに対し訴訟を提起しました。

ブレイディは故意に虚偽のDMCA削除申立を複数のクリエイターに対して行い、チャンネル閉鎖を脅して金銭を要求していました。この訴訟は、YouTubeがプラットフォーム上の著作権詐欺に対して法的措置を取った初期の重要な事例です。

虚偽の著作権申し立てから身を守るための対策としては、まず異議申し立て(Dispute)を必ず行うことです。申し立てを放置すると収益は申立者に渡ってしまいます。次に、使用している素材のライセンス情報を記録として保管しておくことが重要です。フリー素材を使用している場合でも、ライセンスのスクリーンショットや取得日を記録してください。

また、YouTubeからの公式メールかどうかは送信元アドレスを必ず確認しましょう。不審なリンクをクリックせず、YouTube Studioのダッシュボードで直接状況を確認することが安全です。

YouTubeから著作権に関する通知が届いた場合は、まずYouTube Studioのダッシュボードで直接確認してください。メール内のリンクはクリックしないでください。虚偽の著作権申し立てを受けた場合は、YouTubeの異議申し立てプロセスを利用し、同時に申し立ての証拠を全て保存してください。

まとめ

  • YouTube著作権詐欺はContent IDの悪用、虚偽DMCA申立、フィッシングの3つの手口で構成され、クリエイターの収益とチャンネルを脅かす
  • 著作権保護システムが申立者優位に設計されている構造的な弱点が、詐欺師に悪用されている
  • 虚偽の申し立てを受けた場合は絶対に金銭を支払わず、YouTubeの異議申し立てプロセスを利用すること。証拠は全て保存し、必要に応じて法的措置も検討すべきだ

よくある質問

Q
虚偽の著作権申し立てをされたら収益はどうなりますか?
A

著作権申し立てが行われると、異議申し立て(Dispute)が解決するまでの間、該当動画の広告収入はエスクロー(第三者預託)として保留されます。異議申し立てが認められれば保留分の収益はクリエイターに支払われます。放置すると収益は申立者に渡ってしまうため、必ず異議申し立てを行ってください。

Q
取り下げ料を要求された場合は払うべきですか?
A

絶対に払ってはいけません。それは恐喝であり犯罪行為です。支払っても追加の要求が来る可能性が高く、問題は解決しません。代わりにYouTubeのサポートに報告し、該当するメッセージのスクリーンショットを全て保存してください。2019年のブレイディ訴訟のように、YouTubeは悪質な著作権トロールに対して法的措置を取った実績があります。

Q
虚偽の著作権申し立てに法的責任はありますか?
A

はい、DMCAでは虚偽の著作権申立は偽証罪に問われる可能性があります。申立書には偽証の罰則を認識した上で署名する必要があるため、故意に虚偽の申立を行った場合は法的責任を問われます。また、虚偽の申立によって被害を受けたクリエイターは、損害賠償を求める民事訴訟を起こすことも可能です。

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