振り込め詐欺救済法とは?口座凍結で被害金を取り戻す手順

防御・リカバリー
振り込め詐欺救済法とは?ざっくりと3行で
  • 振り込め詐欺救済法とは、詐欺に使われた口座を金融機関が凍結し、残高を被害者に分配する2008年施行の法律で、裁判をせずに被害金の一部を取り戻せる制度だ。
  • 振り込め詐欺などの被害に遭ってすぐ金融機関に連絡すれば、犯罪利用口座の取引が停止され残高がある限り被害額に応じて分配される可能性がある仕組みになっている。
  • これを知っておけば、「振り込んでしまった瞬間が勝負」と理解し、すぐに金融機関と警察に連絡する行動が被害回復につながる

【深掘り】これだけは知っておけ

振り込め詐欺救済法の最大の弱点は「口座残高が勝負」という点です。詐欺師は振り込まれたお金を即座に引き出すため、連絡が遅れれば遅れるほど残高は減ります。気づいた瞬間にすぐ動くことが、被害回復の最大の鍵です。振込先の金融機関のカスタマーサービスに「詐欺被害にあい振り込んでしまった」と伝えるだけで手続きが始まります。

振り込め詐欺救済法(正式名称:犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)は、2007年12月公布・2008年6月21日施行の法律です。振り込め詐欺・ヤミ金融・その他の人の財産を害する犯罪行為で振込先となった口座(犯罪利用預金口座)の残高を、被害者に分配する仕組みを定めています。手続きの流れはおおむね次のとおりです。①被害者または警察から連絡を受けた金融機関が口座を凍結(取引停止)する。②預金保険機構が「債権消滅手続開始公告」を行い、口座残高を確認する。③被害者が申請期間内に申請書・振込を示す資料・身分証のコピーを振込先の金融機関に提出する。④残高を被害額に比例して按分し「被害回復分配金」として支払われる。なお、口座残高が1000円未満の場合は対象外です。

対象となる犯罪は、振り込め詐欺をはじめ、オレオレ詐欺・架空請求詐欺・還付金詐欺・ヤミ金融など、人の財産を害する罪の犯罪行為全般です。ただし、口座振込によって送金された場合に限られます。手渡しで現金を渡した場合、ゆうパックで送った場合、プリペイドカードの番号を伝えた場合、キャッシュカードを直接渡した(詐欺盗)場合は対象になりません。申請から実際の支払いまで少なくとも半年以上かかるのが一般的です。申請方法や申請期間は預金保険機構のウェブサイトで確認できます。

振り込め詐欺救済法を装った二次詐欺が多発しています。「被害回復分配金の手続きに手数料が必要」「ATMを操作すればお金が戻る」などとうたう連絡は全て詐欺です。本物の振り込め詐欺救済法の手続きでは、公的機関・金融機関が被害者に手数料を要求したり、ATM操作を依頼したりすることは一切ありません。この詐欺が来たらすぐ#9110に電話してください。

振り込め詐欺救済法と被害回復給付金支給制度(検察庁が管理する制度)は補完関係にあります。振り込め詐欺救済法は刑事裁判の確定前でも動けますが、口座残高が上限なので取り戻せる金額が限られます。被害回復給付金支給制度は刑事裁判確定後に動くため時間はかかりますが、没収・追徴した財産全体から分配されます。どちらも対象となる場合は両方に申請することで、回収可能な金額を最大化できます。被害に気づいたらすぐに振込先の金融機関・警察(#9110)・消費者ホットライン(188)に連絡し、専門家の案内のもとで手続きを進めてください。

振り込め詐欺救済法の手続きの流れ

ステップ内容担当
①口座凍結犯罪利用口座の取引停止金融機関・警察
②公告債権消滅手続開始の公告(残高確認)預金保険機構
③申請申請書・証拠・身分証のコピーを提出被害者→振込先の金融機関
④按分・支払残高を被害額に比例して分配金融機関

典型的なフレーズ・文脈

振り込め詐欺救済法を装って二次詐欺を試みる詐欺師のイラストアイコン
詐欺師

振り込め詐欺救済法の手続きを代行します。被害額が戻ってくる可能性があります。ただし、手続き開始には保証料として5万円が必要です。振り込んでいただければすぐに申請を進めます。

振り込め詐欺救済法を騙る二次詐欺の典型的な手口です。本物の手続きで手数料を要求することは一切ありません。このような連絡が来たら、すぐに#9110か188に相談してください。

振り込め詐欺救済法の活用を呼びかけるニュースキャスターのイラストアイコン
キャスター

振り込め詐欺の被害に遭った場合は、すぐに振込先の金融機関に連絡することで、振り込め詐欺救済法に基づく口座凍結と被害回復分配金の申請が可能になります。手続きに手数料は一切かかりません。被害額の一部でも取り戻せる可能性があります。

政府広報をもとに、振り込め詐欺被害への対処として振り込め詐欺救済法の活用を呼びかける報道番組のキャスターを想定した表現です。

振り込んだらすぐ金融機関に連絡するよう促す警察官のイラストアイコン
専門家

振り込んだと気づいた瞬間が勝負です。まず振込先の金融機関に電話して口座を止めてもらってください。同時に警察にも連絡を。残高が残っているうちに手続きを始めることが、取り戻せる金額を最大にする唯一の方法です。

警察官が、振り込め詐欺被害者に対し、発覚直後の初動として金融機関への即時連絡の重要性を伝える場面を想定しています。

振り込め詐欺救済法の歴史

振り込め詐欺被害が急増する中で、既存の法律では被害者の救済が追いつかないという問題を解消するために制定されました。

出来事
2007年犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(振り込め詐欺救済法)が公布される。
2008年振り込め詐欺救済法が施行。金融機関が犯罪利用口座を凍結し、残高を被害者に分配する制度が始動。
2011年被害口座のうち残高が1000円未満の少額口座を対象外とするなど、運用の見直しが行われる。
現在SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺など新手口の被害でも同法が適用され、申請件数・分配件数が積み重なっている。

困ったときの相談窓口

振り込め詐欺の被害に遭った場合は、以下の窓口にすぐ連絡してください。

窓口名電話番号受付時間対応内容
振込先の金融機関各行の詐欺被害者専用ホットライン各行による(24時間対応の場合も)口座凍結・被害回復分配金の申請
警察相談専用電話#9110平日 8:30〜17:15(各都道府県で異なる)被害届・口座凍結依頼の相談
消費者ホットライン188年末年始除く毎日振り込め詐欺被害の相談窓口案内

【まとめ】3つのポイント

  • 気づいた瞬間に金融機関へ電話:口座残高がある限り分配されます。振り込んだと気づいたらすぐに振込先の金融機関に電話し、口座凍結を依頼してください。
  • 手数料ゼロが本物の証明:本物の手続きで手数料・保証料を要求することは一切ありません。要求してくる相手は二次詐欺です。
  • 口座振込に限られる制度:手渡し・ゆうパック・カード番号提供・詐欺盗(カード直接窃取)の場合は対象外です。該当しないケースは被害回復給付金支給制度や法テラスへ。

よくある質問

Q
振り込んだ全額が戻ってきますか?
A

口座残高が全額残っていれば全額戻る可能性がありますが、既に引き出されていれば残高が上限となり、複数の被害者がいる場合は按分(比例配分)になります。詐欺師はすぐに引き出すため、気づいた瞬間の連絡速度が勝負を分けます。

Q
申請はどこにすればいいですか?
A

基本的には振り込んだ先の金融機関に申請します。振込先の金融機関が遠方でわからない場合は、自分が取引している金融機関でも相談できます。預金保険機構のウェブサイトで申請可能な口座の一覧が公告されており、申請書のダウンロードもできます。申請期間を過ぎると申請できなくなるため、早期の確認が重要です。

Q
キャッシュカードを直接渡してしまった場合も対象になりますか?
A

対象外です。振り込め詐欺救済法は「口座への振込」によって被害を受けた場合に限られます。カードの手渡し・すり替え(詐欺盗)・ゆうパックでの現金送付・プリペイドカード番号の提供は対象になりません。これらの被害は、被害回復給付金支給制度(犯人が摘発された後)や民事訴訟、法テラスへの相談など別の手段で対処することになります。

Q
振り込め詐欺救済法と被害回復給付金支給制度との違いは何ですか?
A
A

動くタイミングと申請先が違います。振り込め詐欺救済法は刑事裁判の確定前でも、口座が犯罪利用と認定されれば凍結・分配が始まります。申請先は口座のある金融機関です。被害回復給付金支給制度は刑事裁判で没収・追徴が確定した後に始まり、申請先は担当検察庁です。対象の被害者は両方に申請することで、回収可能な金額を最大化できます。

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【出典】参考URL

https://www.zenginkyo.or.jp/hanzai/rescure/:振り込め詐欺救済法の概要・犯罪利用口座の定義の根拠
https://www.gov-online.go.jp/article/201108/entry-8256.html:口座凍結・被害回復分配金の手続きの根拠
https://www.rakuten-bank.co.jp/security/approach/remedy/fraud.html:手数料・ATM操作を要求する二次詐欺への注意の根拠
https://www.keiji-shinkumi.net/hurikome.html:口座残高が1000円未満は対象外・按分計算の根拠

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