偽銀行員のカードすり替え詐欺とは?特殊詐欺の手口

詐欺事件
偽銀行員のカードすり替え詐欺とは?特殊詐欺の手口を3行で要約
  • 偽銀行員のカードすり替え詐欺とは、警察官や銀行協会職員を装って自宅を訪問し、キャッシュカードを封筒に入れさせた後、被害者が目を離した隙に偽のカードが入った封筒とすり替える手口である
  • 2024年の特殊詐欺被害額は717億6000万円(過去最悪)で前年比58.6%増。高齢者被害が65.4%を占め、1日あたりの被害額は約1億9600万円に達している
  • 2025年には警察官をかたってビデオ通話で偽の警察手帳や逮捕状を見せる新手口も登場。電話・SNS・ビデオ通話を組み合わせた複合型詐欺へと進化している

手続きを行いますので、この封筒にキャッシュカードと暗証番号を書いたメモを入れてください――。整ったスーツを着て偽の名刺をぶら下げた男は、銀行協会の職員を完璧に演じていました。印鑑を取りに被害者が部屋に戻った数秒間で、本物のカードが入った封筒は偽物とすり替えられます。被害者はそのことに気づかないまま、数日後に預金が全額引き出されていることを知るのです。

この記事では、日本の特殊詐欺の中でも急増している偽銀行員によるキャッシュカードすり替え詐欺の手口と、確実な防衛策を解説します。

被害の規模

特殊詐欺の被害は2024年に過去最悪を記録しました。

警察庁の統計によると、2024年の特殊詐欺の認知件数は前年比10.5%増の2万1043件、被害額は前年比58.6%増の717億6000万円に達しています。1日あたりの被害額は約1億9600万円、1件あたりの平均被害額は約350万円です。

高齢者(65歳以上)の被害が認知件数の65.4%を占めていますが、2025年上半期にはオレオレ型特殊詐欺で20代・30代の被害が急増し、その割合は30.3%に達しています。特殊詐欺は高齢者だけの問題ではなくなりつつあるのです。

封筒すり替えの劇場型手口

偽銀行員のカードすり替え詐欺は、複数の犯人が役割を分担して演じる劇場型詐欺です。あらかじめ準備されたシナリオに沿って進行します。

第1幕:電話で不安をあおる

まず、警察署や百貨店を名乗る人物から電話がかかってきます。あなたのキャッシュカードが不正に利用されているおそれがある、詐欺グループを逮捕したらあなた名義のカードが偽造されていたなどと告げ、被害者の不安をあおります。

その後、銀行協会の職員が確認に伺いますと言い残して電話を切ります。この時点で、クレジットカードの話題からキャッシュカードの話題に巧みにすり替えられていることに被害者は気づきません。

第2幕:訪問とすり替え

銀行協会職員や金融庁職員を名乗る人物が自宅を訪問します。整ったスーツを着用し、偽の名刺や身分証明書をカードホルダーに入れて首からぶら下げるなど、身なりも書類も完璧に準備されています。

訪問者はカードを保護するためと称して封筒を差し出し、キャッシュカードと暗証番号を書いたメモを入れるよう求めます。封筒に割印を押すために印鑑を取りに行くなど、被害者が目を離した瞬間に偽のカードが入った封筒と本物のカードが入った封筒をすり替えます。

第3幕:発覚の遅延

犯人は手続き完了の連絡が来るまで1週間は絶対に封筒を開けないでくださいと念押しします。この間に犯人は暗証番号を使ってATMから預金を全額引き出します。被害者が封筒を開けて中身が偽物だと気づく頃には、預金は消えているのです。

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この詐欺で覚えておくべき絶対的なルールは1つだけ。銀行員や警察官が電話や訪問で暗証番号を尋ねることは絶対にありません。この1点さえ知っていれば、この詐欺は防げます。暗証番号を聞かれた時点で、それは100%詐欺です。

2025年の新手口:複合型詐欺

2025年には手口がさらに進化し、電話・SNS・ビデオ通話を組み合わせた複合型詐欺が主流となっています。

特に急増しているのがニセ警察詐欺です。警察官を名乗る人物から電話があり、あなたに犯罪の容疑がかかっていると告げた後、LINEでのビデオ通話に誘導します。ビデオ通話では警察官の服装をした人物が登場し、偽の警察手帳や逮捕状を画面に映して見せるのです。

また国際電話番号を悪用するケースも増えています。日本の警察署の番号に見せかけるため、末尾を0110にした国際電話番号が使われたり、実在の電話番号になりすますスプーフィング技術が用いられたりしています。

偽銀行員・偽警察官の詐欺を防ぐ鉄則
・銀行員や警察官が暗証番号を尋ねることは絶対にない
・キャッシュカードや通帳を他人に渡さない
・不審な電話があったら一度切り、自分で銀行や警察署の代表番号に電話して確認する
・固定電話に迷惑電話防止機器を設置する
・国際電話を使わない方は利用休止を申し込む

まとめ

  • 偽銀行員のカードすり替え詐欺は複数犯による劇場型手口で、電話で不安をあおり→訪問してカードをすり替え→発覚を遅延させる3段階で進行する
  • 2024年の特殊詐欺被害額は717億円で過去最悪。2025年にはビデオ通話で偽の警察手帳を見せる複合型詐欺に進化している
  • 銀行員や警察官が暗証番号を尋ねることは絶対にない。この1点を覚えておくだけで被害を防げる。不審な電話は一度切り、自分で代表番号に確認すること

よくある質問

Q
被害に遭ったらお金は戻ってきますか?
A

すぐに銀行と警察に連絡すれば、口座凍結により一部の被害回復が可能な場合があります。銀行の偽造・盗難カード補償制度が適用される可能性もありますが、暗証番号を自ら教えてしまった場合は補償が減額されることがあります。被害に気づいたら一刻も早く行動することが重要です。

Q
若い世代も被害に遭うのですか?
A

はい。2025年上半期の統計では、オレオレ型特殊詐欺で20代・30代の被害が急増し、その割合は30.3%に達しています。20代の被害は前年比で約10倍に増加しました。また若者が受け子(現金やカードの受け取り役)として犯罪に加担させられるケースも増えており、闇バイトの募集を通じて特殊詐欺に関与してしまう問題も深刻化しています。

Q
固定電話を持っていなければ安全ですか?
A

固定電話がなければ従来型の電話詐欺のリスクは大幅に下がりますが、完全に安全とは言えません。2025年にはSMSやLINE、メールを通じた詐欺が増加しており、スマートフォンユーザーも標的になっています。また訪問型の詐欺は電話なしでも発生するため、暗証番号を聞かれたら100%詐欺という基本原則は常に意識してください。

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コメント

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