民事再生法とは?財産を残して立て直す再建の法律

法規・刑罰・代償
民事再生法とは?ざっくりと3行で
  • 民事再生法とは、借金を抱えた人や会社が、事業や生活を続けながら債務を大幅に圧縮し、立て直しを図るための「再建型」の倒産処理の法律だ。
  • 裁判所の管理下で再生計画を立て、債権者の同意を得て債務を減額することで、会社なら事業を止めずに、個人ならマイホームを残しながら借金を整理できるためすべてを清算する破産とは違う形で再起の道を残している
  • 仕組みを知っておけば、借金で行き詰まっても、財産や事業を守りながら立て直す選択肢があると分かり、追い詰められて危険な手段に走るのを避けられる。

【深掘り】これだけは知っておけ

民事再生法のポイントは、破産と違って「財産や事業を残しながら」債務を整理できる点です。特に個人再生では、住宅ローン特則を使えばマイホームを手放さずに借金を減らせる場合があります。

民事再生法は、経済的に苦境にある債務者の事業や経済生活の再建を目指す「再建型」の倒産処理手続きを定めた法律です。2000年に施行されました。財産を清算して終わらせる「清算型」の破産法とは、目的が大きく異なります。破産が財産を換金して債権者に分配し、会社なら法人格を消滅させるのに対し、民事再生は会社の財産や取引関係を維持しながら、債務を圧縮して再建を図ります。手続きは裁判所の管理下で進められ、再生計画を立てて債権者の同意(過半数の同意など)を得ることで、債務を減額できます。裁判所を通さない私的整理と違い、債権者の過半数の同意で計画を可決できる強制力があるため、一部の債権者が反対していても再建を目指せるのが特徴です。

個人が利用する場合は、民事再生法の特別規定に基づく「個人再生」が一般的です。個人再生には、住宅ローンに関する特則など、生活再建に配慮した規定が設けられています。利用には、住宅ローンを除く借金の総額が5,000万円以下であること、将来にわたり継続的な収入が見込めることなどの条件があります。個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があり、前者は反対する債権者が半数未満などの要件で計画が可決され、後者は会社員など収入が安定した人向けで債権者の同意が不要な代わりに可処分所得の2年分以上を返済するなどの要件があります。最大のメリットは、住宅ローン特則を使えばマイホームを残したまま、他の借金を大幅に減額できる点です。破産では資格制限が生じる職業もありますが、個人再生にはそうした制限がない点も違いです。

個人再生が向いているのは、安定した収入があり、マイホームを残したい人や、破産だと資格制限が生じる職業の人です。一方、収入の見込みがない場合は破産のほうが適することもあります。どの手続きが最適かは状況次第なので、専門家に相談して選ぶことが大切です。

知っておくべきこととして、借金で行き詰まっても、すべてを清算する破産だけでなく、財産や事業を守りながら立て直す民事再生という選択肢があること。個人再生なら、住宅ローン特則でマイホームを残しつつ他の借金を減額できる可能性があること。民事再生は裁判所の管理下で行う法的手続きで、債権者の同意を得て債務を圧縮すること。借金苦から、ヤミ金や闇バイトといった違法な手段に頼ってはいけないこと。どの債務整理(破産・民事再生・任意整理など)が自分に合うかは、収入や財産の状況によって異なるため、法テラスや弁護士に相談して判断すること。民事再生法は、経済的に苦しい人や会社に「再起の道」を残す法律です。追い詰められたときこそ、こうした正当な救済制度の存在を思い出し、専門家に相談することが、最悪の事態を防ぎます。

民事再生(再建型)と破産(清算型)の比較

項目民事再生破産
目的事業・生活を続けながら再建財産を清算
会社の場合事業を継続できる法人格が消滅
個人の住宅住宅ローン特則で残せる場合あり原則手放す

典型的なフレーズ・文脈

再生計画を悪用しようと持ちかける悪質な指南役のイラストアイコン
詐欺師

(悪い入れ知恵)個人再生する前に、財産は親族名義に移しておけば残せますよ。収入も少なく見せかければ返済額を抑えられる。裁判所には適当に説明すればいい。書類さえ整えれば、借金だけ大幅に減らして資産は守れますから。

財産隠しや虚偽申告で再生手続きを悪用しようと持ちかける手口です。裁判所への虚偽申告や財産隠しは、再生計画が認められないばかりか、詐欺再生罪などに問われる危険があります。

民事再生法と個人再生を報じるニュースキャスターのイラストアイコン
キャスター

民事再生法は、事業や生活を継続しながら債務を圧縮する再建型の手続きを定めています。個人が利用する個人再生では、住宅ローン特則を使えば、マイホームを残したまま他の借金を減額できる場合があります。

民事再生法と個人再生の仕組みを解説する報道番組のキャスターを想定した表現です。

債務整理の選び方を助言する弁護士のイラストアイコン
専門家

借金で行き詰まっても、財産を残して立て直す個人再生という道があります。財産隠しや虚偽申告は厳禁です。破産と再生のどちらが合うかは状況次第。ヤミ金に頼る前に法テラスや弁護士へ相談を。困ったら188へ。

弁護士が、民事再生法を含む債務整理の選び方を助言する場面を想定しています。

民事再生法の歴史

民事再生法は、古い再建型手続きに代わる使いやすい制度として整備され、個人にも対象を広げてきました。その歩みをたどります。

出来事
2000年民事再生法が施行される。従来の和議法に代わる、使いやすい再建型手続きとして導入された。
2001年個人向けの特則(個人再生手続)が整備され、個人債務者も利用しやすくなる。住宅ローン特則も設けられた。
現在会社の再建や個人の生活再建の手段として定着し、債務整理の重要な選択肢となっている。

困ったときの相談窓口

借金の整理や事業の再建を検討している場合は、以下の窓口に相談できます。

窓口名電話番号受付時間対応内容
法テラス0570-078374平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00個人再生・債務整理の相談
日本貸金業協会 相談センター0570-051-051平日 9:00〜17:00多重債務の相談
消費者ホットライン188地域の窓口に準ずる借金・債務トラブルの相談

【まとめ】3つのポイント

  • 正体は再建型の倒産処理の法律:事業や生活を続けながら債務を圧縮し、立て直しを図ります。
  • 財産を残して立て直せる:個人再生なら住宅ローン特則でマイホームを残しつつ借金を減額できる場合があります。
  • 破産と再生は状況で選ぶ:どちらが合うかは収入や財産次第。財産隠しは厳禁、ヤミ金に頼らず専門家に相談を。

よくある質問

Q
個人再生を使えば、本当に家を残せますか?
A

住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用できる場合、マイホームを残せる可能性があります。これは、住宅ローンはそのまま支払い続ける一方、それ以外の借金を大幅に減額するという仕組みです。これにより、家を手放さずに債務を整理できます。ただし、利用には住宅ローンを除く借金が5,000万円以下であること、継続的な収入が見込めることなどの条件があり、住宅ローンの滞納状況などによっては使えない場合もあります。自分のケースで利用できるかは、弁護士や司法書士に相談して確認してください。

Q
民事再生と自己破産、どちらを選べばいいですか?
A

状況によります。安定した収入があり、マイホームを残したい場合や、破産だと資格制限が生じる職業(警備員や保険募集人など一部の職業)の場合は、個人再生が向いていることがあります。一方、収入の見込みが乏しく、残したい財産も特にない場合は、借金が原則ゼロになる自己破産のほうが適することもあります。民事再生は債務を圧縮して返済を続ける、破産は返済義務を免除してもらう、という根本的な違いがあります。どちらが最適かは個別の事情で変わるため、必ず専門家に相談して判断してください。

Q
一部の債権者が反対しても、民事再生はできますか?
A

可能な場合があります。私的整理(裁判所を通さない任意の交渉)では全債権者の同意が必要で、一人でも反対すると成立しません。これに対し、民事再生は裁判所の管理下で行う法的手続きであり、再生計画は債権者の過半数の同意などの要件で可決できる強制力があります。そのため、一部の大口債権者が反対していても再建を目指せます。なお、給与所得者等再生では、債権者の同意自体が要件とされていないなど、手続きの種類によって可決の仕組みは異なります。詳しくは専門家に確認してください。

Q
民事再生法と会社更生法の違いは何ですか?
A

どちらも再建型の手続きですが、対象と経営権の扱いが異なります。民事再生法は、法人・個人を問わず幅広く利用でき、原則として現在の経営陣が引き続き経営しながら再建を進められます。会社更生法は、株式会社のみが対象で、主に大規模な企業の再建に使われ、原則として管財人が選任されて経営権が移ります。民事再生のほうが手続きが簡素で利用しやすく、中小企業や個人に向いています。会社更生は大企業向けの、より大掛かりな手続きだと理解してください。

コメント

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