ストローマン論法とは?主張を歪めて封じる詭弁

心理テクニック
ストローマン論法とは?ざっくりと3行で
  • ストローマン論法とは、相手の主張をわざと歪めて別の言い方に変え、その変えた偽の主張を攻撃して論破したように見せる詭弁のことだ。
  • 詐欺師はこれを使い、疑問や指摘を過激な主張にすり替えて攻撃し正当な疑問を言い出した人を悪者に仕立ててくる
  • 仕組みを知っておけば、自分の言った内容と違う話で返されていると気づけ、意見をねじ曲げる詭弁に踏みとどまれる。

【深掘り】これだけは知っておけ

ストローマン論法のこわさは、そんなことは言っていないと抗議してもすでに攻撃を受けた後であることです。歪められた主張を正しに戻す前に、場の空気が変わってしまい、言い出した人が悪者のようになってしまうのです。

ストローマン論法は、藁人形論法とも呼ばれる詭弁で、相手の本来の主張を誇張・歪曲・単純化し、より攻撃しやすい偽の主張に作り変えてから反論する手法です。たとえば、子どものSNS利用を制限すべきだと言えば、子どもをインターネットから遠ざけるとは時代錯誤だと言い返してくる。SNSの制限という主張が、インターネット排除という過激な主張にすり替えられているのです。本来の主張ではなく、歪めて作った藁人形を倒す。だから藁人形論法とも呼ばれます。

詐欺の場面では、疑問を持った被害者や、外から警告しようとする第三者への反論に使われます。本当に出金できるか不安だと言えば、あなたは私が詐欺師だと言いたいのですかと、言っていないことへの反論が来る。一度専門家に相談したいと言えば、この機会を信じられないなら関係を続ける意味がないと、関係を壊そうとする話にすり替える。正当な懸念が、過激な疑念や裏切りの意思として語り直され、言い出した側が引っ込めざるを得なくなるのです。

見抜くポイントは、返ってきた反論が、自分の言ったことと対応しているかを確かめることです。そんなことは言っていないと感じたら、その感覚は正しい可能性が高いです。自分の元の発言を振り返り、歪められていると思ったら、私が言ったのはそういう意味ではなく、こういうことですと、正確に言い直してください。

対策は二段階です。まず、返ってきた反論が自分の言ったことを正確に受け取っているかを確認する。次に、歪められていると気づいたら、元の主張を短く明確に言い直す。長い説明より、私が聞きたいのはなぜ出金できないのかという一点だけです、と絞り込む方が効果的です。詭弁で返してくる相手は、正面から答えを出せない状況にある可能性が高い。元の質問を繰り返すことで、その事実が浮き彫りになります。

ストローマン論法が悪用される場面

場面使われる歪め方見抜くポイント
投資詐欺への疑問不安を詐欺師呼ばわりにすり替えて反撃言っていないことへの反論が来る
悪質な勧誘への断り検討したいを信用しないという意味にねじ曲げる元の言葉と違う文脈で攻撃される
外部からの警告心配を嫉妬や妨害として語り直す心配した第三者が悪者にされる

典型的なフレーズ・文脈

ストローマン論法を悪用し疑問を誹謗にすり替える詐欺師のイラストアイコン
詐欺師

つまりあなたは、私が詐欺師だと言いたいわけですか?こんなに一緒に頑張ってきたのに、そういう目で見られていたんですね。傷つきました。

出金について聞いただけの疑問を、詐欺師と決めつけた誹謗にすり替えて攻撃し、正当な疑念を引っ込めさせる、ストローマン論法の典型です。

主張のすり替え詐欺手口を報じるニュースキャスターのイラストアイコン
キャスター

専門家は、正当な疑問を過激な批判にすり替えて言い出した人を攻撃する手口があるとして、自分が実際に言ったことと返ってきた反論が対応しているか確認するよう促しています。

主張のすり替えを使う詐欺手口を解説する報道番組や、専門家による注意喚起を想定した表現です。

元の主張を言い直す大切さを助言する消費生活相談員のイラストアイコン
専門家

そんなことは言っていないと感じたら、静かに元の言葉に戻してください。私が聞いたのはこの一点です、と。歪めて返す相手ほど、正面から答えられない事情があります。

消費生活相談員が、歪められた反論に対して元の主張を言い直す方法を予防の観点から助言する場面を想定しています。

困ったときの相談窓口

主張をすり替えられ疑問を封じられた場合などは、以下の窓口に相談できます。

窓口名電話番号受付時間対応内容
消費者ホットライン188地域の窓口に準ずる契約トラブル・悪質商法全般
警察相談専用電話#9110平日 8:30〜17:15(各都道府県で異なる)詐欺被害・悪質な勧誘の相談
法テラス0570-078374平日 9:00〜21:00 / 土 9:00〜17:00法的トラブル・弁護士費用の相談

【まとめ】3つのポイント

  • 正体は偽の藁人形:ストローマン論法は、相手の主張を歪めて作った偽の標的を攻撃する詭弁です。
  • 疑問が誹謗にすり替わる:正当な疑念を過激な主張に変換し、言い出した人を悪者に仕立てます。
  • 元の言葉に戻す:そんなことは言っていないと感じたら、私が聞いたのはこの一点だけです、と絞り込みましょう。

よくある質問

Q
ストローマン論法はなぜ詐欺で使われるのですか?
A

正面から答えられない疑問を、攻撃によって封じられるからです。なぜ出金できないのかという正当な疑問に答えずに、あなたは私を詐欺師と呼ぶのかと歪めて返せば、疑問を言い出した人が謝罪や弁解に追われます。その隙に元の疑問が消える。弁解させることで時間を稼ぎ、被害者に冷静な追及をやめさせる効果があるのです。

Q
そんなことは言っていないと反論したら、余計ひどくなりました。
A

それは、相手が詭弁の応酬に引き込もうとしているからです。歪めた主張への反論は、さらに別の歪めた主張を呼び込む泥沼になりがちです。対策は、反論に乗らず元の質問を繰り返すことです。私が言いたいのは、なぜ出金できないのかという一点だけです、と静かに絞り込む。相手の土俵に乗らず、自分の問いに戻り続けることが、最も有効な対処です。

Q
家族が投資グループへの疑念を言ったら、仲間から総攻撃されました。
A

ストローマン論法と集団思考が組み合わさった、悪質な組織的圧力です。疑問を持った一人を全員で取り囲み、主張を歪めて攻撃することで沈黙させようとしています。その状況でひとりで戦い続けるのは困難です。一旦距離を置いて、外の信頼できる人、あるいは消費者ホットライン188に状況を話してみてください。外から見れば、その集団の異常さが見えます。

Q
ストローマン論法と対人論証の違いは何ですか?
A

攻撃の標的が違います。ストローマン論法は、相手の主張を歪めた偽の主張を作り、そちらを攻撃します。対人論証は、主張の内容ではなく、主張した人の人格や属性を攻撃します。前者は主張を歪めて攻める、後者は主張した人を攻めるという違いがあります。詐欺の場面ではどちらも疑問を封じる目的で使われます。

コメント

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