トム・ヘイズとは?LIBOR金利操作スキャンダルの中心人物

詐欺事件
トム・ヘイズとは?LIBOR金利操作スキャンダルの中心人物を3行で要約
  • 世界の金融取引350兆ドル以上の基準となるLIBOR金利を操作した中心人物として、英国で初めて陪審により有罪判決を受けたトレーダー
  • UBSとシティグループ在籍中に、少なくとも10社25人のトレーダー・ブローカーのネットワークを使いLIBORを組織的に操作した
  • 禁固14年(控訴で11年に減刑)の判決を受け5年半服役したが、2025年に英国最高裁が有罪判決を取り消し

住宅ローンの金利、学生ローンの返済額、デリバティブの価格。これらすべてに影響を与える世界で最も重要な金利指標LIBOR。その数値を、自分の取引ポジションに有利になるよう操作していた男がいました。

トム・ヘイズは、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の操作スキャンダルにおいて、英国で最初に陪審により有罪判決を受けたトレーダーです。しかし2025年7月、英国最高裁は裁判での陪審への指示が法的に不正確だったとして有罪判決を取り消しました。10年にわたる法廷闘争の末の劇的な逆転でした。

ヘイズの経歴とLIBOR操作

トム・ヘイズとは、アスペルガー症候群と診断された天才トレーダーでありながら、金融史上最大級のスキャンダルの中心人物となった人物です。

UBSのインターンを経て、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのトレイニーとしてキャリアをスタートさせました。2006年にUBSに移り、東京オフィスで円建てLIBORに連動するデリバティブ取引を担当。2009年にはシティグループにヘッドハントされ、300万ドルの契約金を受け取っています。

ヘイズの手口は、自行のLIBOR提出担当者に自分に有利な金利を提出するよう依頼するだけでなく、他行のトレーダーやブローカーにも働きかけて組織的にLIBORを動かすというものでした。少なくとも10社25人のネットワークを構築し、LIBORの操作を日常的に行っていました。

逮捕・判決・そして逆転

2010年、シティグループはヘイズのLIBOR操作活動を理由に解雇しています。

2012年12月に英国当局に逮捕され、米国からも同罪で起訴されました。米国への引き渡しを避けるため、当初は英国重大不正捜査局(SFO)に協力し、約80時間のインタビューに応じています。しかしその後、無罪を主張して争う方針に転じました。

2015年8月に禁固14年の判決を受け、控訴で11年に減刑されています。ヘイズは約5年半服役しました。裁判中、弁護側はLIBOR操作がトレーダーの間で広く行われ、上司も認識していた慣行だったと主張しましたが、認められませんでした。

しかし2025年7月、英国最高裁はヘイズの有罪判決を取り消しました。裁判での陪審への指示が法的に不正確で不公正だったという判断です。SFOは再裁判を求めないと発表しています。

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ヘイズの事件は、個人の犯罪と業界の慣行の境界線を問う難しい事例です。LIBOR操作は業界全体で横行しており、世界の金融機関は総額約100億ドルの罰金を支払っています。一人のトレーダーだけを司法の見せしめにすることの公正さが、最終的に最高裁で否定されたとも解釈できます。

まとめ

  • ヘイズは10社25人のネットワークでLIBOR金利を組織的に操作し、世界の金融市場の信頼を揺るがせた
  • 禁固14年(減刑後11年)の判決を受け5年半服役したが、2025年に英国最高裁が有罪判決を取り消し
  • LIBOR操作は業界全体で横行していた慣行。個人の犯罪と業界の構造的問題の境界線を問う事件として金融史に残る

よくある質問

Q
LIBORとは何ですか?
A

ロンドン銀行間取引金利(London Interbank Offered Rate)の略で、銀行同士が資金を貸し借りする際の基準金利です。世界の350兆ドル以上のローンやデリバティブの価格設定に使われており、住宅ローンや学生ローンの金利にも影響を与えていました。この金利が操作されていたことは、一般消費者にも直接的な被害をもたらしました。LIBORは2023年6月に廃止されています。

Q
なぜ有罪判決が取り消されたのですか?
A

2025年7月の英国最高裁の判断によるものです。裁判で陪審に与えられた指示が法的に不正確で不公正だったとされました。具体的には、銀行が自行の取引上の有利さを考慮してLIBORの提出値を決めることが許容されるかどうかについて、陪審への説明が誤っていたと判断されました。SFOは再裁判を求めないとしています。

Q
ヘイズ以外にも有罪判決を受けた人はいますか?
A

英国と米国で合計19人以上が有罪判決を受けています。ヘイズの有罪取り消しにより、他の有罪判決も見直される可能性が高くなっています。実際、ヘイズと同時にバークレイズの元トレーダー、カルロ・パロンボのユーリボー操作に関する有罪判決も取り消されました。金融機関全体では約100億ドルの罰金が科されています。

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