デヴィッド・ハンプトンとは?ポワティエの息子を騙った詐欺師

詐欺事件
デヴィッド・ハンプトンとは?ポワティエの息子を騙った詐欺師を3行で要約
  • 1983年にNYで俳優シドニー・ポワティエの息子を名乗り、マンハッタンの富裕層から食事、宿泊、金銭を騙し取った
  • カリスマ的な魅力で上流社会に溶け込み、メラニー・グリフィスやカルバン・クラインなど著名人とも交流した
  • 事件はブロードウェイの大ヒット作Six Degrees of Separationの原案となり、ウィル・スミス主演で映画化された

NYの最高級レストランで食事を終えた青年が言います。父がまもなく来るはずなのですが、仕事で遅れているようです。レストランは気を遣って食事代をサービスします。しかしその父親、シドニー・ポワティエがこの店に現れることは決してありませんでした。なぜなら、ポワティエには息子がいないからです。

デヴィッド・ハンプトンは、1980年代にマンハッタンの上流社会に潜り込んだ19歳の詐欺師です。アカデミー賞受賞俳優シドニー・ポワティエの息子を名乗り、カリスマ的な魅力で次々と富裕層を騙しました。その実話はブロードウェイの大ヒット作Six Degrees of Separationとなり、1993年にはウィル・スミス主演で映画化されています。

ハンプトンの生い立ちとなりすましの始まり

デヴィッド・ハンプトンとは、NYのクラブへの入場を断られたことがきっかけで有名人の息子を名乗り始めた青年です。

1964年、ニューヨーク州バッファローで弁護士の息子として生まれました。1981年にダンスと演技のキャリアを追求するためにNYに移りますが、成功には至りませんでした。19歳の時にNYのクラブへの入場を断られたハンプトンは、友人とプラザホテルに戻ってリムジンを拝借し、シドニー・ポワティエの息子を名乗って再度クラブに向かいました。今度は熱烈に歓迎されたのです。

この体験が、ハンプトンのなりすまし人生の始まりでした。有名人の息子として扱われる快感を知った彼は、以後数年にわたりこの手口を繰り返すことになります。

マンハッタン上流社会への潜入

ハンプトンの手口は、被害者の子供の友人を装い、強盗に遭ったと訴えるというシンプルなものでした。

ハンプトンは富裕層の家庭に電話をかけ、お子さんのハーバード大学の友人で、ポワティエの息子のデヴィッドですと名乗りました。強盗に遭って金も荷物も奪われた、学期末のレポートも盗まれたと訴え、一晩泊めてほしいと頼んだのです。

カリスマ的な魅力と豊富な知識で上流社会に溶け込んだハンプトンは、元ニューズウィーク編集長のオズボーン・エリオット、公共テレビ局WNETの局長、女優メラニー・グリフィスなど12人以上の著名人を騙しています。レストランでは父親のポワティエが来るはずだと言って高級な食事を楽しみ、父が現れないと残念そうな顔をすることで、レストラン側に食事代を免除させていました。

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ハンプトンの事件で興味深いのは、被害者の多くが警察に通報しなかったことです。その理由は、世慣れた自分たちが19歳の青年に騙されたことが恥ずかしかったからです。詐欺被害者が通報をためらう心理は、現代の投資詐欺やロマンス詐欺にも共通しています。

逮捕とその後

1983年10月に詐欺罪で逮捕されたハンプトンは、21ヶ月の服役を経て出所しています。

発覚のきっかけは、元ニューズウィーク編集長エリオットの妻がハンプトンを泊めた翌朝、見知らぬ男性とベッドを共にしているのを発見したことでした。娘に確認したところ友人にそのような人物はいないと判明し、さらにポワティエ本人に連絡したところ息子はいないと否定されたのです。

ハンプトンの事件を知った劇作家ジョン・グエアが、1990年にブロードウェイ作品Six Degrees of Separationを発表。大ヒットとなり、1993年にはウィル・スミスがハンプトンをモデルにした役を演じて映画化されました。ハンプトンは作品に対して1億ドルの著作権訴訟を起こしましたが棄却されています。その後も犯罪を繰り返し、2003年7月18日にAIDS関連の合併症により39歳で死去しました。

まとめ

  • ハンプトンはポワティエの息子を名乗るカリスマ的な魅力でNY上流社会に潜り込み、12人以上の著名人を騙した
  • 被害者の多くが恥ずかしさから通報をためらった点は、現代の詐欺被害にも共通する心理的障壁だ
  • 事件はブロードウェイとウィル・スミス主演映画の原案に。階級とアイデンティティの問題を提起した象徴的な事件として語り継がれている

よくある質問

Q
なぜポワティエの息子という嘘が通用したのですか?
A

ハンプトンがマンハッタンの上流社会の内部事情に驚くほど詳しかったことが大きな要因です。著名人の自宅の内装やハーバード大学のキャンパスの細部まで正確に描写し、知り合いの名前を次々と挙げることで信用を構築しました。また、有名人の息子に恥をかかせたくないという心理も働いていました。

Q
ポワティエ本人はこの事件にどう反応しましたか?
A

ポワティエは被害者から連絡を受けた際、自分には息子がいないと明確に否定しています。その対応は非常に紳士的だったと被害者は証言しています。ポワティエには実際に6人の娘がいますが、息子はいません。

Q
Six Degrees of Separationとはどういう意味ですか?
A

六次の隔たりという社会心理学の概念で、世界中のどの2人も6人の知り合いの連鎖で繋がっているという仮説です。ハンプトンの事件は、少数の人間関係の連鎖を利用して上流社会に潜り込めることを示しており、この概念がタイトルに採用されました。1990年のブロードウェイ初演は大成功を収め、長期上演となりました。

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