- 原野商法とは、山奥の原野や価値のない土地を「将来必ず値上がりする」「開発計画がある」などと偽って高額で売りつける詐欺で、バブル期に大量の被害者を出し、現在も二次被害が続いている。
- 一次被害(価値のない土地の購入)を受けた高齢者に「高値で買い取る」「土地を有効活用できる」などと近づき、測量費・書類作成費・手続き費などの名目で再び金銭を詐取する二次被害が現在の主要な被害形態だ。
- これを知っておけば、「原野を持っている・親が原野を持っていると知られた段階で詐欺師が近づいてくる」という二次被害の構造を理解し、対処できる。
【深掘り】これだけは知っておけ
原野商法の被害は二段階あります。【一次被害】1970〜1980年代のバブル期前後に「北海道・東北の原野が開発されて値上がりする」などと騙されて価値のない土地を高額で購入させられた。【二次被害(現在の主要被害)】その被害者の相続人も含め「土地を高値で買い取る業者がいる」「土地を有効活用できる」「固定資産税の問題を解決できる」などと近づき、測量費・管理費・仲介費・書類作成費などの名目で数十〜数百万円を再びだまし取る。二次被害では「あなたが持っている原野を買いたい人がいる」という話から始まり、売買が成立する前に費用だけ払わされて業者が消えるパターンが典型的です。
二次被害の防止策は、①見知らぬ業者からの「土地を買いたい」という連絡を全て断る、②「費用を払えば売却できる」という話は詐欺と判断する、③不要な土地の処分は2023年施行の相続土地国庫帰属制度(法務省)で国への帰属を検討する、④土地の処分を検討する場合は188または弁護士に相談してから判断する。相続土地国庫帰属制度は一定の要件と費用(審査費用14,000円・負担金が必要)がありますが、不要な土地を抱え続けるリスクを回避する正規の方法です。
WILDの歴史
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1970〜80年代 | バブル経済前後に北海道・東北・九州等の山林・原野を「開発で値上がりする」と騙して高額販売する原野商法が全国で横行。 |
| 1980年代後半 | バブル崩壊後に被害の実態が明らかになり、特定商取引法等による規制が強化される。 |
| 2010年代以降 | バブル期の被害者が高齢化・相続問題を抱える中、「買い取る」「活用できる」という二次被害が急増。 |
| 2023年4月 | 相続土地国庫帰属制度が施行。不要な土地を一定条件で国に帰属させる正規の解決策が整備される。 |
典型的なフレーズ・文脈

○○不動産の者です。お客様がお持ちの北海道の土地ですが、私どもの顧客がどうしても取得したいとおっしゃっています。まず測量と書類整理が必要で、その費用として50万円ご用意いただければ、高値でお買い取りします。
「土地を高値で買い取る」を口実に測量費をだまし取る原野商法二次被害の典型フレーズです。費用を払っても売却は実現せず、業者は消えます。

バブル期に価値のない原野を購入させられた被害者を再びターゲットにする「原野商法の二次被害」が後を絶ちません。2018年の国民生活センター調査では平均被害額484万円で、被害者の約91%が60歳以上でした。見知らぬ業者からの土地買い取り話には応じないでください。
国民生活センターの統計をもとに原野商法二次被害の深刻さを伝える報道番組のキャスターを想定した表現です。

「高値で買い取る」という業者の連絡には全て断ってください。費用を払わせてから消えるのが二次被害の典型パターンです。不要な土地は2023年施行の相続土地国庫帰属制度で国への帰属を検討できます。詳細は法テラスか188に相談してください。
弁護士が原野商法二次被害者に正規の土地処分方法と詐欺への対処を案内する場面を想定しています。
困ったときの相談窓口
| 窓口名 | 電話番号 | 受付時間 | 対応内容 |
|---|---|---|---|
| 消費者ホットライン | 188 | 年末年始除く毎日 | 原野商法二次被害・土地トラブルの相談 |
| 警察相談専用電話 | #9110 | 平日 8:30〜17:15(各都道府県で異なる) | 詐欺被害届・相談 |
| 法テラス(日本司法支援センター) | 0570-078374 | 平日 9:00〜21:00/土曜 9:00〜17:00 | 法的相談・弁護士費用立替 |
【まとめ】3つのポイント
- 「土地を買いたい」という連絡は全て断る:見知らぬ業者からの土地買い取り話は二次被害の入口です。費用を要求されたら詐欺確定です。
- 費用を払う前に188か弁護士に相談:「測量費が必要」という話が来たら、一円も払う前に専門家に相談してください。
- 相続土地国庫帰属制度という正規の選択肢がある:2023年4月施行の制度で一定条件のもと不要な土地を国に帰属させることが可能になりました。
よくある質問
- Q親が原野商法で購入した土地を相続しました。どうすればいいですか?
- A
まず固定資産税の支払い義務があるかを確認し、2023年施行の相続土地国庫帰属制度(法務省)に申請できるかを検討してください。要件として「建物が建っていない」「土壌汚染がない」などがあります。手続きには審査費用(14,000円)と負担金が必要です。詳細は法務省のウェブサイトまたは法テラス(0570-078374)に相談してください。
- Q「原野を高値で買い取る」という電話が来ました。
- A
詐欺の可能性が高いです。「費用を払えば高値で売却できる」という話は典型的な二次被害の入口です。見知らぬ業者からの連絡は全て断り、土地の処分を検討する場合は188か弁護士に相談してから判断してください。業者の名前を伝えれば188の相談員が業者の信頼性を調べる手助けをしてくれます。
- Q測量費を払ったのに業者が連絡を絶ちました。どうすればいいですか?
- A
詐欺被害として警察に被害届を提出してください。振込した場合は振込先の金融機関に口座凍結を依頼(振り込め詐欺救済法)します。弁護士か法テラスに返金請求の可能性を相談し、業者の情報(名刺・振込先・やり取りのメール等)を証拠として保全してください。
- Q原野商法と原野商法の二次被害との違いは何ですか?
- A
詐欺の方向が逆です。原野商法(一次被害)は価値のない土地を高額で売りつける詐欺です。二次被害は逆に「その土地を高値で買いたい(または活用できる)」と言って近づき、測量費・手続き費という名目でお金をだまし取ります。一次被害の被害者リストが詐欺師の間で出回っており、同じ人が何度もターゲットになるケースがあります。
【出典】参考URL
https://www.kokusen.go.jp/:国民生活センター・原野商法二次被害の平均被害額484万円・91%が60歳以上の根拠
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html:相続土地国庫帰属制度(2023年4月施行)の根拠


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