51%攻撃とは?ブロックチェーンを支配する二重支払い攻撃

犯行スキーム
51%攻撃とは?ざっくりと3行で
  • 51%攻撃とは、ブロックチェーンのマイニングパワー(計算能力)の過半数を一つの集団が握り、取引の改ざんや二重支払いを可能にしてしまう攻撃のことだ。
  • 過半数を握られると、正規の取引を取り消したり同じ暗号資産を二度使ったりできるようになりそのブロックチェーンへの信頼が崩壊し通貨価値が暴落してしまう
  • 仕組みを知っておけば、マイナー分散度の低いマイナー暗号資産にはハッシュレート支配リスクがあると理解でき、投資判断に活かせる。

【深掘り】これだけは知っておけ

51%攻撃のこわさは、ブロックチェーンの根幹である「分散による信頼」が根本から崩れる点にあります。一度成功すれば、そのチェーン上の取引履歴への信頼が失われ、通貨価値の暴落につながります。

51%攻撃(マジョリティ攻撃)は、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)型ブロックチェーンで、特定のマイナーや集団が全体のハッシュレート(計算能力)の50%超を支配することで成立する攻撃です。支配権を握った攻撃者は、新規ブロックの生成を独占でき、二重支払い(同じコインを2回使う)、特定取引のブロック、過去取引の改ざんが可能になります。代表的な事例として、2013年にマイニングプールGheish.ioが過半数を超えそうになりビットコイン価格が暴落した事件、2018年にビットコインゴールドが標的となり二重支払いで約20億円相当の被害が発生した事件があります。

典型的な攻撃シナリオは次の通りです。攻撃者は暗号資産を取引所に送金し、それを別の通貨に交換します。その後、51%攻撃を実行して最初の送金トランザクションを取り消すと、自分のウォレットには元の暗号資産が戻り、交換した別通貨も手元に残ります。これが二重支払いの典型例です。被害は取引所が被ることが多く、ビットコインゴールド事件では複数の取引所が損失を計上しました。

個人投資家ができる対策は、マイナー暗号資産(時価総額が低くハッシュレートが小さい銘柄)への過剰投資を避けることです。ハッシュレートが小さい銘柄ほど、過半数支配に必要なコストが低く、51%攻撃を受けやすくなります。投資先のハッシュレート分布も確認すべき指標の一つです。

現在のビットコインで51%攻撃を行うには1時間あたり約5,000万円、イーサリアム(PoSへ移行前の試算)で約4,000万円のコストがかかるとされており、メジャー通貨で51%攻撃が成功する可能性は経済合理性の観点から極めて低くなっています。一方、時価総額の低い銘柄、特に新興のPoWチェーンや、ハッシュレートを共有する派生チェーン(フォークコイン)は、依然として攻撃のリスクが残ります。プルーフ・オブ・ステーク(PoS)型のチェーンでは、計算能力でなく保有量(ステーク)の支配が問題になる類似の攻撃があり、こちらも経済合理性で防がれています。

51%攻撃で可能になる主な行為

行為仕組み被害
二重支払い送金後に取引を取り消して同じコインを再利用取引所の損失・通貨信頼の失墜
取引の検閲特定アドレスからの取引をブロックする資産凍結・検閲リスク
マイニング報酬の独占新規発行コインと手数料を独占正直なマイナーが採算割れ

典型的なフレーズ・文脈

51%攻撃でハッシュレートを支配するマイニンググループのイラストアイコン
詐欺師

(攻撃グループ内部)小規模PoWチェーンのハッシュレート55%を確保完了。今から取引所に送金して別通貨に交換、3時間後にチェーンを巻き戻して二重支払いを実行。利益見込み約3億円。

ハッシュレートの低い小規模チェーンを狙い、過半数支配と二重支払いで利益を得る典型的な51%攻撃の戦略です。

51%攻撃による暗号資産被害を報じるニュースキャスターのイラストアイコン
キャスター

2018年にはビットコインゴールドが51%攻撃を受け、二重支払いで約20億円相当の被害が発生したと報じられており、専門家は時価総額の低い暗号資産ほどハッシュレート支配のリスクが高いと指摘しています。

ビットコインゴールドの51%攻撃事件を解説する報道番組のキャスターを想定した表現です。

マイナー暗号資産のハッシュレートリスクを助言する暗号資産アナリストのイラストアイコン
専門家

時価総額の低いPoW暗号資産はハッシュレート支配のリスクがあります。投資前にネットワークのマイナー分散度を確認してください。被害を察知したら金融庁の0570-050588へ。

暗号資産アナリストが、マイナー暗号資産への投資判断における51%攻撃リスクを助言する場面を想定しています。

困ったときの相談窓口

51%攻撃に関連する暗号資産取引のトラブルが発生した場合は、以下の窓口に相談できます。

窓口名電話番号受付時間対応内容
金融庁 詐欺的な投資に関する相談ダイヤル0570-050588平日 10:00〜17:00(Webは24時間)暗号資産投資に関する相談
警察相談専用電話#9110平日 8:30〜17:15(各都道府県で異なる)不正な取引・被害の相談
消費者ホットライン188地域の窓口に準ずる暗号資産トラブル全般の相談

【まとめ】3つのポイント

  • 正体は計算能力の過半数支配:マイニングパワーの過半数を握ることでブロックチェーンの取引を改ざんできる攻撃です。
  • マイナー通貨ほどリスクが高い:ビットコインゴールドなど小規模チェーンが過去に被害を受けています。
  • 個人は投資先のマイナー分散度を確認:ハッシュレートが小さい銘柄への過剰投資を避けることが現実的な対策です。

よくある質問

Q
ビットコインも51%攻撃を受ける可能性はありますか?
A

理論上は可能ですが、現実的には極めて困難です。ビットコインのハッシュレートは世界中に分散しており、過半数を支配するには1時間あたり約5,000万円のコストがかかるとされています。仮に成功しても、ビットコインの価格暴落により攻撃者自身の利益も失われる経済構造になっています。リスクが高いのは、ハッシュレートが小さく、攻撃コストが低い小規模なPoWコインです。

Q
51%攻撃で過去の取引が改ざんされると、私のウォレットからコインが消えますか?
A

個人ウォレットから勝手にコインが消えることはありません。51%攻撃で可能になるのは、攻撃者自身の取引の取り消しや、二重支払いです。第三者のウォレットを直接操作することはできず、過去の取引履歴も基本的には保たれます。ただし、ブロックチェーンへの信頼が崩れることで通貨価格が暴落し、結果として保有資産の価値が大きく下がる可能性はあります。

Q
投資する暗号資産が51%攻撃に強いかどうか、どう判断しますか?
A

三つの指標を確認してください。一つ目はそのチェーンの総ハッシュレート。Crypto51.appなどで51%攻撃に必要なコストを確認できます。二つ目はマイナー分散度。少数のマイニングプールが過半数を握っていればリスクが高くなります。三つ目はチェーンの時価総額。時価総額が小さいほど攻撃のインセンティブも小さいですが、防御も弱いというトレードオフがあります。

Q
51%攻撃とシビル攻撃の違いは何ですか?
A

支配する対象が違います。51%攻撃はマイニングのハッシュレート(計算能力)の過半数を支配する攻撃です。シビル攻撃はネットワーク上のノード数を偽装し、多数決の決定権を握る攻撃です。51%攻撃はPoW型チェーンの計算能力の問題、シビル攻撃はノード認証や評判システムの抜け穴を狙う問題で、対策も異なります。両者を組み合わせた攻撃が試みられることもあります。

コメント

※本記事の内容については、できる限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、完全に正確であるという保証はありません。一部の内容に誤りや適切でない表現がある可能性があります。ご了承の上、参考程度にとどめていただければ幸いです。なお、記事の改善点などがございましたら、ぜひコメントにてご指摘ください。
犯行スキーム詐欺辞典
\この記事をシェアする/
\賠償罪子のSNSに遊びにいく/
タイトルとURLをコピーしました