ビッシングとは?電話で警察を名乗る音声フィッシング詐欺

犯行スキーム
ビッシングとは?ざっくりと3行で
  • ビッシングとは、音声通話を使って警察官・銀行員・公的機関などを名乗り、個人情報や金銭を騙し取るフィッシング詐欺の一種だ。
  • 電話というなじみ深い連絡手段と権威の組み合わせで、判断の余裕がないまま指示に従わせATMへの誘導や口座情報の聴取で金銭を奪ってくる
  • 仕組みを知っておけば、公的機関は電話でATM操作を指示しないという一点が守れて、ビッシングによる被害を防げる。

【深掘り】これだけは知っておけ

ビッシングのこわさは、電話という即時性の高い媒体を使うため、情報を確認する間もなく行動させられる点にあります。メールなら読み返せますが、電話は一方的に話が進んでいくのです。

ビッシングはVoice(音声)とPhishing(フィッシング)を合わせた造語で、ボイスフィッシングとも呼ばれます。警察官・銀行員・厚生労働省職員・宅配業者などを名乗り、電話で個人情報や口座情報を聴取したり、ATMへ誘導して不正送金させたりする手口です。2024年3月には福岡県内の20代男性が、警察官を名乗った詐欺師に「口座が犯罪に使われている、保釈保証金が必要」と騙され800万円を振り込む被害が発生しています。警察庁の統計では特殊詐欺の認知件数・被害額ともに2024年に過去最大を記録しており、ビッシングはその中核的な手口の一つです。

近年はAI音声クローン技術の進化により、家族や知人の声に似せた音声で電話をかける手口も登場しています。また、機械応答システムによる自動音声を使い、暗証番号の入力を促すパターンも増加しています。手口は電話番号の偽装(末尾0110など警察署に似た番号)、権威のある機関を名乗ることで服従を引き出す権威の原理の悪用、今すぐ対処しなければという緊急性の演出が組み合わさっており、冷静な判断を奪います。

見抜くポイントは一点だけです。警察・検察・銀行・公的機関は、電話でATM操作や送金を指示することは絶対にありません。この事実を覚えておけば、ビッシングの大半を防げます。怪しいと思ったらすぐに電話を切り、自分で調べた公式番号にかけ直して確認してください。

被害を防ぐ最も有効な方法は、迷惑電話対策アプリや着信拒否機能の活用と、知らない番号への折り返し確認の徹底です。非通知や見知らぬ番号からの電話には出ないか、出てもATM・口座・暗証番号の話が出た瞬間に電話を切る。家族や身近な人と、電話で金銭の話が来たら必ず一度切ってから相談するというルールを事前に決めておくことが、被害防止に有効です。

ビッシングの主な手口

なりすます相手典型的なトーク見抜くポイント
警察・検察官口座が犯罪に使われている・逮捕状が出ている警察がATM操作を電話で指示しない
銀行員・ゆうちょ社員セキュリティ強化のため口座情報の確認が必要銀行が電話で暗証番号を聞かない
公的機関・厚労省還付金がある・今すぐ手続きが必要公的機関が電話で即日送金を求めない

典型的なフレーズ・文脈

ビッシングで警察官を名乗りATMへ誘導する詐欺師のイラストアイコン
詐欺師

こちら○○警察署です。あなたの口座が詐欺グループに利用されていることが判明しました。資金を保護するため、今すぐ近くのATMに向かい、こちらの指示通りに操作してください。

警察官を名乗り緊急性と権威でATMへ誘導するビッシングの典型的な電話口のセリフです。本物の警察が電話でATM操作を指示することはありません。

ビッシング詐欺の急増を報じるニュースキャスターのイラストアイコン
キャスター

警察庁は、特殊詐欺の被害件数・被害額が2024年に過去最大を記録したとして、電話でATM操作や送金を指示する公的機関は存在しないとあらためて注意を呼びかけています。

ビッシングを含む特殊詐欺の急増を報じる報道番組や、警察庁の注意喚起を想定した表現です。

電話を切って折り返す鉄則を助言する消費生活相談員のイラストアイコン
専門家

ATMの話・口座の話・送金の話が電話で来たら、その瞬間に電話を切ってください。本物なら折り返しても対応できます。被害に遭ったら銀行と#9110へすぐに連絡を。

消費生活相談員が、ビッシング対策として電話を切って折り返す鉄則を予防の観点から助言する場面を想定しています。

困ったときの相談窓口

ビッシングで金銭を奪われた場合などは、以下の窓口に速やかに相談してください。

窓口名電話番号受付時間対応内容
警察相談専用電話#9110平日 8:30〜17:15(各都道府県で異なる)ビッシング・特殊詐欺の被害相談
消費者ホットライン188地域の窓口に準ずる悪質商法・契約トラブル全般
IPA安心相談窓口03-5978-7509平日 10:00〜12:00、13:30〜17:00サイバー犯罪・フィッシング詐欺の相談

【まとめ】3つのポイント

  • 正体は電話を使ったフィッシング:ビッシングは音声通話で公的機関を名乗り、ATM誘導や情報聴取で金銭を奪います。
  • ATMを電話で指示するのは詐欺のみ:警察・銀行・公的機関が電話でATM操作を指示することは絶対にありません。
  • 電話を切って折り返す:怪しいと感じたら即座に電話を切り、自分で調べた公式番号に折り返しましょう。

よくある質問

Q
ビッシングとスミッシングの違いは何ですか?
A

接触手段が違います。ビッシングは音声通話を使って直接会話で騙します。スミッシングはSMSのテキストメッセージを使って偽サイトへ誘導します。どちらもフィッシング詐欺の一種ですが、ビッシングは電話口での会話力と権威の演出、スミッシングはリンクへの誘導が主な手法です。現在は両方が組み合わせて使われるケースも増えています。

Q
電話番号が警察署のものと表示されていました。本物ではないのですか?
A

電話番号の偽装は技術的に可能で、詐欺師が警察署の番号に見せかけて表示することができます。特に末尾0110など警察署に似た番号の偽装が多く確認されています。表示された番号が本物に見えても、ATM操作や送金を指示してきた時点で詐欺です。一度電話を切り、電話帳などで独立して調べた警察署の番号にかけ直して確認してください。

Q
家族が電話でATMに行くよう言われています。止めるにはどうすれば?
A

すぐに電話を切らせてください。その場で警察相談専用電話#9110か最寄りの警察署に連絡することも有効です。ATMを管理する銀行に連絡して不審な操作を止めてもらうことも可能です。焦って一人で対処しようとせず、周囲の人間と連携して止めることが大切です。ATMへの誘導が詐欺の典型的な手口だという認識を持ち、毅然として電話を終わらせましょう。

Q
ビッシングとスピアフィッシングの違いは何ですか?
A

接触手段と標的の絞り込み方が違います。ビッシングは音声通話を使い、比較的広範な対象に権威のなりすましで迫ります。スピアフィッシングはメールを使い、特定の個人・組織を事前調査した上でパーソナライズされた攻撃を仕掛けます。どちらもフィッシング詐欺の一種で、ビッシングは会話、スピアフィッシングはメールの偽装が主な武器です。

コメント

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