- 警察・市役所・年金事務所などの職員になりすまして金銭や個人情報を騙し取る犯罪行為のこと!
- ターゲットの公的権威への無条件の信頼と、逮捕・口座凍結といった恐怖を突き、ATM操作や振込で犯人の口座へ送金させる仕組みだ
- 知っておくことで不審な電話を即座に見抜き、一度切って自分で公式番号にかけ直すというたった1つの行動で被害をゼロにできる
平日の昼間、自宅の固定電話に市役所の保険課を名乗る人物から連絡が入る。医療費の還付金があり、本日が手続きの最終期限だと告げられたら、あなたはどう行動するでしょうか。
この事例で父親が騙された最大の原因は、公的機関の名前を出された瞬間に疑いの目を失ったことにあります。詐欺グループは市役所や年金事務所といった肩書きを利用し、相手の警戒心を一気に解除させます。さらに今日が期限と時間的プレッシャーを加えることで、家族や周囲に相談する余裕すら奪ってしまうのが常套手段です。
法的な観点から見ると、そもそも公的機関がATM操作で還付金を返すという手続きは日本の行政制度に存在しません。還付金は口座への直接振込か窓口での手渡しが原則であり、ATMへ誘導する時点で100%詐欺だと断定できます。また、着信画面に表示された電話番号が本物の市役所の番号であっても、IP電話技術を悪用すれば番号の偽装は容易に行えるため、表示番号だけで信用するのは極めて危険です。
防衛策はシンプルで、どんな肩書きの相手でも一度電話を切り、自分で調べた公式番号にかけ直す。これだけで被害は防げます。万が一振り込んでしまった場合は、警察相談電話#9110と振込先の金融機関に即座に連絡し、口座凍結を依頼してください。振り込め詐欺救済法による返金の可能性は、通報までの速さにかかっています。
【深掘り】これだけは知っておけ
公的機関装い詐欺が横行している最大の理由は、IP電話や海外の中継サーバを経由することで、警察署や市役所の正規の代表番号をそのまま着信画面に表示できるからです。実際に警視庁の代表番号や、末尾が0110で終わる各警察署の番号を偽装した詐欺電話が急増しています。
さらに近年では電話だけでなく、政府機関を装った偽サイトや詐欺広告も問題になっており、2026年2月には警察庁が注意喚起を発表しました。SMSやメールで届くリンクから偽の行政サイトに誘導し、マイナンバーやクレジットカード情報を入力させる手口も確認されています。
典型的なフレーズ・文脈

こちら市役所の保険課です。医療費の還付金が3万2,000円ございます。本日が手続きの最終期限ですので、最寄りのATMへ向かっていただけますか。ATMに着きましたらこの番号にお電話ください。
還付金詐欺の典型パターンです。市区町村の保険課や年金事務所を名乗り、実際にありそうな金額を提示して信用させます。ATMで受け取れる還付金は存在しないため、この時点で100%詐欺だと断定できます。

警察の代表番号を偽装表示させた詐欺電話が急増しています。着信画面に表示された番号が本物でも、その電話が本物の警察からとは限りません。必ず一度切ってからご自身で番号を調べてかけ直してください。
テレビのニュース番組で注意喚起として報道されるケースです。警察庁のSOS47でも、警察官がSNSやビデオ通話で連絡を取ることは絶対にないと繰り返し周知しています。

もし振り込んでしまった場合は、すぐに警察と振込先の金融機関に連絡してください。振り込め詐欺救済法により、犯人の口座が凍結されれば被害額の一部が戻る可能性があります。
弁護士や消費生活センターの相談員が被害者に最初に伝えるアドバイスです。振り込め詐欺救済法は2008年から施行されており、犯人の口座に残高が残っていれば被害回復分配金として返金される制度があります。
【まとめ】3つのポイント
- お役所コスプレ詐欺:警察・市役所・年金事務所の看板を借りて信頼させる、いわば公的機関の制服を着た泥棒。電話番号まで本物そっくりに偽装できる技術が使われている
- 恐怖と焦りのワンツーパンチ:逮捕・口座凍結・期限切れなどの恐怖で冷静な判断を奪い、考える時間を与えずATMや振込に誘導する心理操作が核心
- 最強の武器は”いったん切る”:どんな肩書きの相手でも電話を一度切り、自分で調べた公式番号にかけ直す。それだけで被害は防げる。万が一振り込んだら#9110(警察相談電話)と振込先の金融機関にすぐ連絡
よくある質問
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Q着信画面に警察署の番号が表示されていたら本物ですか?
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A
本物とは限りません。IP電話や海外の中継サーバを使えば、警視庁の代表番号や末尾0110の警察署番号を着信画面に表示させることが技術的に可能です。必ず一度電話を切り、自分で調べた正規の番号にかけ直して事実を確認してください。
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Q公的機関装い詐欺でお金を振り込んでしまったらどうすればいいですか?
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A
まず警察(#9110)に連絡し、次に振込先の金融機関に電話して口座の凍結を依頼してください。振り込め詐欺救済法により、凍結口座に残高が残っていれば被害回復分配金として返金を受けられる可能性があります。犯人に引き出される前のスピードが勝負です。
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QATMで還付金を受け取れると言われましたが本当ですか?
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A
完全に嘘です。ATMを操作して還付金を受け取ることは仕組み上あり得ません。市役所や年金事務所などの公的機関が電話でATMに行くよう指示することも絶対にないため、この時点で詐欺だと断定してください。
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Q公的機関装いとオレオレ詐欺との違いは何ですか?
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A
オレオレ詐欺は息子や孫など家族を装って情に訴える手口なのに対し、公的機関装い詐欺は警察・市役所・税務署などの権威を利用して恐怖や義務感で従わせる手口です。前者は親しさ、後者は権威という、利用する信頼の種類が異なります。
【出典】参考URL
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/tokushu/police_officer.html :警視庁・警察官等をかたる詐欺の手口と注意喚起
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/ :警察庁SOS47・特殊詐欺の手口一覧と対策
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/250325/01.html :警察庁・警察に偽装した電話番号に関する注意喚起
https://www.gov-online.go.jp/article/201108/entry-8256.html :政府広報オンライン・振り込め詐欺救済法の解説
https://www.tca.or.jp/information/camouflage.html :電気通信事業者協会・発信者番号偽装の注意喚起




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