刑法246条(詐欺罪)とは?成立する4つの条件と刑罰

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賠償罪子
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刑法246条(詐欺罪)とは?ざっくりと3行で
  • 人を騙して金銭や財物を交付させた者を10年以下の拘禁刑に処する犯罪のこと!
  • ターゲットの判断を誤らせる嘘(欺罔行為)を起点に、錯誤→財物の交付→財産の移転という4段階の因果関係が揃って初めて成立する
  • 知っておくことでどこからが法的に詐欺と認められるのかの境界線がわかり、被害届を出す際の判断基準を持てるようになる
刑法246条の詐欺罪が成立する欺罔行為から財物交付までの4要件を事例で解説する4コマ漫画
①居酒屋で先輩が100万預ければ倍にすると後輩に儲け話を持ちかける。②来月になっても返金されず先輩と連絡が取れなくなり不安が募る。③弁護士に相談すると先輩は最初から返す気がなかった多重債務者だと判明する。④賠償罪子が信頼を換金した者に待つのは鉄格子だと冷徹に断罪する。

この事例で詐欺罪の成否を分けるのは、先輩が100万円を受け取った時点で返済する意思があったかどうかという一点に尽きます。弁護士の調査で明らかになった多重債務の記録は、借りた時点ですでに返済能力がなかったことを示す決定的な証拠になるでしょう。

刑法246条の詐欺罪が成立するには、欺罔行為→錯誤→財物の交付→財産の移転という4つの要素が途切れなく繋がる必要があります。この事例に当てはめると、返す気がないのに倍にして返すと嘘をついた行為が欺罔、後輩がそれを信じたことが錯誤、100万円を振り込んだ行為が交付、先輩が受け取って連絡を絶ったことが財産の移転にあたるのです。

被害を防ぐ鉄則は、どれほど信頼している相手でも口約束だけでお金を渡さないことに尽きます。借用書の作成、返済期日の明記、相手の経済状況の確認は最低限のリスク管理でしょう。仮に被害に遭った場合、振込明細やメッセージのやり取りなど相手の欺罔行為を立証できる証拠が残っているかどうかが、詐欺罪での立件と被害回復の成否を左右します。

【深掘り】これだけは知っておけ

一見すると嘘をつけば何でも詐欺になるように思えるが、実は欺罔行為・錯誤・交付行為・財産移転の4つが因果関係で結ばれて初めて詐欺罪は成立する

刑法246条1項は人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の拘禁刑に処すると定めています。日常会話で使われる詐欺という言葉とは異なり、法律上の詐欺罪が成立するには厳密な4つの構成要件が必要です。

第一の要件は欺罔行為、つまり相手が真実を知っていれば財物を渡さなかったであろう重要な事実について嘘をつくことです。第二に、その嘘によって相手が錯誤(思い違い)に陥る必要があります。第三に、錯誤に基づいて相手が自らの意思で財物を交付する行為を行うこと。そして第四に、その結果として財物が犯人側に移転することが求められます。これら4つの要素が途切れなく繋がっていなければ詐欺罪は成立しません。

また、刑法246条2項では財物そのものではなく、債務の免除やサービスの不正利用など財産上の利益を不法に得る行為も処罰対象としています。無銭飲食や無賃乗車がこれにあたるでしょう。さらに、刑法246条の2では電子計算機使用詐欺罪が規定されており、ATMの不正操作やシステムへの虚偽入力で利益を得る行為も同様に処罰されます。罰金刑の規定がなく、有罪の場合は実刑か執行猶予付きの拘禁刑のみという点も、詐欺罪の重大性を物語っているのです。

自分が詐欺被害に遭った際に被害届を出すかどうか迷う場面が最も多いシチュエーションです。判断のチェックポイントは、相手に最初から騙す意図(故意)があったかどうか。お金を借りて返さないだけでは、返す意思がなかったことを証明できなければ詐欺罪にはなりません

典型的なフレーズ・文脈

詐欺の手口を使う犯人のイラストアイコン
詐欺師

必ず倍にして返すから、今日中に100万円を振り込んでくれないか。来週には確実に入金があるんだ。

最初から返済する意思も能力もないにもかかわらず、あたかも返済できるかのように装って金銭を交付させる典型的な欺罔行為の場面です。この場合、被害者が嘘を信じて振り込みを行い、犯人側に金銭が移転した時点で刑法246条1項の詐欺罪が成立します。借金と詐欺の境界線は、借りた時点での返済意思の有無にあります。

ニュースキャスターのイラストアイコン
キャスター

特殊詐欺の被害額は年間300億円を超えており、オレオレ詐欺還付金詐欺などの手口が依然として社会問題となっています。

ニュース番組で特殊詐欺の被害状況を報じる場面です。警察庁の統計によると、特殊詐欺の認知件数は増加傾向にあり、被害者の多くが高齢者です。オレオレ詐欺・預貯金詐欺・キャッシュカード詐欺盗・架空料金請求詐欺・還付金詐欺など多様な手口が刑法246条の詐欺罪として立件されています。

法律の専門家のイラストアイコン
専門家

詐欺罪は罰金刑がなく、有罪になれば拘禁刑のみです。初犯でも実刑になるケースがあり、特殊詐欺では組織的犯行として厳しく処罰される傾向にあります。

弁護士が詐欺罪の刑罰について解説する場面です。詐欺罪の法定刑は10年以下の拘禁刑であり、窃盗罪のように罰金で済むことはありません。犯罪白書によると詐欺罪の執行猶予率は約59%で、刑事裁判全体の約63%を下回っており、初犯であっても実刑判決が下される可能性が比較的高い犯罪類型だと言えます。未遂でも処罰される点にも注意が必要です。

【まとめ】3つのポイント

  • 嘘だけでは詐欺にならない、4つの鎖が繋がって初めて犯罪:欺罔行為→錯誤→財物の交付→財産の移転という4要件が因果関係で途切れなく結ばれている必要がある。どれか1つが欠けても詐欺罪は成立しない
  • 罰金なし、拘禁刑のみという重い代償:法定刑は10年以下の拘禁刑で罰金刑の規定がない。初犯でも実刑率は約41%に達し、特殊詐欺の組織的犯行では一層厳しい量刑が科される
  • 被害届のカギは相手の故意を証明できるか:騙されたと感じても、相手に最初から騙す意図があったことを立証しなければ詐欺罪として立件は難しい。やり取りの記録、録音、送金履歴などの証拠を可能な限り残しておくことが被害回復の第一歩になる

よくある質問

Q
お金を貸して返してもらえない場合は詐欺罪になりますか?
A

お金を借りた時点で最初から返す意思がなかったことが証明できれば詐欺罪が成立する可能性があります。しかし、借りた時点では返済するつもりだったが結果的に返せなくなった場合は、欺罔行為の故意がないため詐欺罪にはなりません。この区別は実務上の立証が非常に難しく、借用書や返済計画の有無、借入れ時点の経済状況などが判断材料になります。

Q
詐欺罪で逮捕されたら必ず実刑になりますか?
A

必ず実刑になるわけではありません。犯罪白書によると詐欺罪で有罪判決を受けた者のうち約59%には執行猶予が付いています。ただし、詐欺罪には罰金刑の規定がないため、有罪の場合は拘禁刑(実刑または執行猶予付き)のみとなります。被害額が大きい場合や組織的犯行(特殊詐欺など)の場合は、初犯であっても実刑となる可能性が高まるでしょう。

Q
ネット上の詐欺も刑法246条で処罰されますか?
A

人を騙して金銭を振り込ませるフィッシング詐欺やワンクリック詐欺などは、通常の詐欺罪(刑法246条)が適用されます。一方、ATMの不正操作やシステムへの虚偽データ入力など、人ではなく電子計算機を介して利益を得る行為には電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)が適用されます。いずれも法定刑は10年以下の拘禁刑で同じです。

Q
詐欺罪と窃盗罪の違いは何ですか?
A

最大の違いは被害者の意思に基づく交付行為があるかどうかです。詐欺罪は、被害者が騙されて自らの意思で財物を渡す点が特徴であり、窃盗罪は被害者の意思に反して財物を奪い取る犯罪です。また、窃盗罪には50万円以下の罰金刑がありますが、詐欺罪には罰金刑がなく拘禁刑のみという点でも異なります。

【出典】参考URL

https://keiji.vbest.jp/columns/g_property/3229/ :ベリーベスト法律事務所による詐欺罪の定義と構成要件の解説
https://recones-law.com/2025/12/刑法上の詐欺罪とは?――刑法246条の意味・4つ/ :リコネス法律事務所による刑法246条の4類型と成立要件の解説
https://tokyo-startup-law.or.jp/legalpark/category02/sagizai/ :TSL LEGAL PARKによる詐欺罪の構成要素と逮捕後の流れの解説
https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/68/nfm/n68_2_8_2_1_1.html :令和3年版犯罪白書における詐欺の法的枠組みの解説
https://bennavi.jp/columns/3/ :ベンナビ刑事事件による詐欺罪の構成要素と逮捕後の流れの解説

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