いくらちゃん
賠償罪子
ディカプリオ主演で、ウルフ・オブ・ウォールストリートとして映画になりました。
ストラットン・オークモント詐欺事件とは
80年代後半から90年代初頭のウォール街、一つの会社とその若きリーダー、ジョーダン・ベルフォート（以下ベルフォート）。
彼の会社、ストラットン・オークモント（以下オークモント社）は一見、成功を収めた証券会社として知られていましたが、裏では詐欺が行われていた。
その詐欺手法は「ポンプ・アンド・ダンプ」、低価格の株を大量に買い占めて価格を吊り上げ、頂点に達したところで売り抜けるというもの。
この手法でベルフォートは巨額の富を得た。彼の生活は極度の贅沢と薬物の摂取で彩られ、その社内でもこれらは当たり前の光景となっていた。
しかし、この成功は長く続かない。
彼の犯罪行為はやがて露見し、1999年、証券詐欺とマネーロンダリングの罪で起訴されます。
2003年には有罪判決を受け、22ヶ月の刑、さらに彼は詐欺で得た利益、1億1000万ドルの返済を命じられた。
事件の主要3つの要素
- 詐欺手法「ポンプ・アンド・ダンプ」
- 詐欺組織と化したオークモント社
- ウォール街の狼、ベルフォート
詐欺手法「ポンプ・アンド・ダンプ」
「ポンプ・アンド・ダンプ」は証券詐欺の一種で、通常、主に不透明な、流動性の低い株式に対して行われる。
具体的なプロセスは下記の通り。
ポンプ（Pump）
まず、詐欺者（個人やグループ）は安価な株を大量に購入。その後、株価を上げるために、該当の会社について誇大広告や偽の情報を広める。例えば、「次世代の技術を開発中で近く市場に打ち出す」といった誇大な主張が使われる。情報源はメール、オンライン広告、ソーシャルメディア、インターネットフォーラムなど、様々。これらの情報により投資家がその株式に注目し、購入するようになり、株価が人工的に上昇（ポンプ）する。
ダンプ（Dump）
株価が十分に高まったところで、詐欺者は自分たちが保有する株を大量に売り始める。これにより、株価は急速に下落（ダンプ）し始める。
結果
詐欺者は高値で売却した株から大きな利益を得る一方、誇大広告や偽の情報に引き寄せられて購入した投資家たちは大損することとなる。
例えば、テクノロジー企業「XYZ社」の株が1株あたり$1で取引されているとする。詐欺者はこの株を100万株購入し、その後、「XYZ社が革新的な技術を開発し、その技術により企業の評価額が上昇する可能性がある」といった誇大な主張を広める。これにより多くの投資家がXYZの株を購入し、株価が$5に上昇。この時点で詐欺者は保有していた100万株を売却し、大きな利益を得る。しかし、株価は再び下落し、この詐欺に引っかかった投資家たちは大損を被ることとなる。
詐欺組織と化したオークモント社
オークモント社は、ベルフォートによって1989年に設立。設立当初、会社は正当な証券ブローカーとして営業を始める。しかし、ベルフォートとそのチームは徐々に違法なビジネス戦略に手を染めるようになる。
当初、彼らはクライアントに対して大手企業の有望な株を販売し、顧客からの信頼を築き上げていった。顧客からの信頼を気付いた後に、ベルフォートは「ポンプ・アンド・ダンプ」のスキームを導入し始める。
オークモント社の詐欺的な行為は、時間をかけて徐々に悪化。最初は正当な手段でビジネスを行っていたものの、最終的には全く異なる道へと進むこととなる。このような行為により、多くの投資家が巨額の損失を被ることとなり、最終的には連邦政府の法的な介入を引き起こした。
ウォール街の狼、ベルフォート
ベルフォートは1962年にニューヨークのブロンクスで生まれ、教師であった両親の下で育った。
初めてビジネスに興味を持ったのは大学在学中で、彼は友人とともにタリア式の冷凍シーフードの販売事業を始める。ビジネスモデルは、冷凍シーフードの戸別訪問販売。このビジネスで彼は、販売技術と顧客との交渉術を学ぶ。
ビジネスは当初、かなりの成功を収め、ベルフォートは一晩で数千ドルを稼ぐこともあった。
しかし、ビジネスは長続きせず。品質問題、衛生問題、そして経営陣間の意見対立などが起こり、事業は破綻。
この経験はベルフォートにとって事業の興亡を理解するための基礎を築いた。
このビジネスの失敗後、ベルフォートは新たな機会を追求し、ウォール街へと進出。
彼の野心とビジネスへの情熱で、彼が自身の証券会社オークモント社を設立。彼の野心とビジネスへの情熱で「ウォール街の狼」として知られるようになる。
ベルフォートはオークモント社で得た巨額の利益を使って極めて贅沢なライフスタイルを送った。彼はニューヨークのロングアイランドにある豪華な邸宅に住みフェラーリやランボルギーニなどの高級スポーツカー、ヨット、プライベートジェットを所有していた。
また、彼のパーティーは伝説的であり、ストリッパーや薬物が常にあり、時には事務所内で行われ、法外な行為が行われることが一般的だった。
薬物に関しては、ベルフォート自身が自著「ウォール街の狼」や映画で語っているように彼は頻繁にクオール（一種の鎮静剤）、コカインマリファナ、そしてアルコールを使用。
彼のクオールへの依存は特に深刻で、その影響は私生活とビジネスに重大な影響を及ぼすことになる。
薬物は彼の判断力を鈍らせ、彼が行った多くの不適切な行動の一因となった。
彼のビジネスの成果と並行して豪華さを増したが、彼の行動はついには法執行機関の注意を引き、彼の
犯罪生活に終止符を打つ。
ベルフォートは1999年に証券詐欺とマネーロンダリングの罪で起訴され、2003年に有罪判決を受け、彼は元々は4年の刑期を宣告。
しかし他の犯罪者について情報を提供したことで刑期は22ヶ月に短縮された。
ベルフォートはこの刑期の大部分をネバダ州のタフト補正施設で過ごす。
現在、ベルフォートはモチベーショナルスピーカーとして生活。教育機関、企業、コミュニティグループなどさまざまな環境でスピーチを行う。彼は自身の体験をもとにした講演を行い他人が自分の過ちを繰り返さないように警告している。
彼はまた、自伝「ウォール街の狼」を出版し、その後に映画化されたことで再び一世を風靡した。
賠償罪子
詐欺被害とその後の償還
ベルフォートは彼の指導下で行われたストラットン・オークモント詐欺事件の結果、約1500人の被害者に対して1億1000万ドルの支払いを要求された。さもなければ、彼は懲役4年の刑を受け入れることになるからだ。
しかし、検察官によれば、ベルフォートはこれまでに必要な額のわずかな部分である1160万ドルしか返済していない。これは、彼が被害者たちに対して負った重大な責任を考えると、到底許容できる範囲のものではない。
それにもかかわらず、彼の訴訟を担当している裁判官は、ベルフォートに対して、生涯にわたって月額10,000ドルを支払うことを許可。これは彼が違法に得た富の一部を回収し、詐欺で得た利益を少しずつでも被害者に返済するための決定だった。
賠償罪子
ちなみに「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の日本版のキャッチコピーは、「貯金ゼロから年収49億円 ヤバすぎる人生へ、ようこそ。」でした。
いくらちゃん
コメント