- 注文していない商品が一方的に送られてくること
- ネット通販のレビュー評価を不正に上げる目的がある
- 個人情報が悪用される可能性もある

もっとくわしく知りたい方は続きをどうぞ!
ブラッシング詐欺をわかりやすく
ブラッシング詐欺とは
ブラッシング詐欺とは、ECサイトの出品者が行う不正行為の一つ。実際には商品を購入していないにもかかわらず、消費者のもとに商品が送り付けられる。これは、あたかもその商品が売れたかのように見せかけたり、購入者になりすまして高評価のレビューを投稿したりする目的で行われる。
具体的には、出品者は何らかの方法で入手した氏名や住所などの個人情報を使用する。これらの情報をもとに、ECサイト上で架空のアカウントを作成したり、不正に入手した既存のアカウントを利用したりして、自社の商品を注文したように装う。そして、その注文に基づいて、実際には安価な商品や、時には全く価値のない物を消費者の自宅に送り付ける。
この手口の背景には、多くのECサイトにおいて、商品のレビューが消費者の購買意欲に大きく影響するという事実がある。高評価のレビューが多く寄せられている商品は、消費者に信頼されやすく、結果として売上が向上する傾向にある。そのため、一部の出品者は不正な手段を用いてでも、自社の商品に好意的な評価を人為的に作り出そうとする。
「ブラッシング」という言葉は、販売者が偽の肯定的なレビューを作成することで、あたかも悪い評判を「払拭」しようとする様子から来ていると考えられている。一見すると、単に間違って商品が送られてきただけのように思えるため、詐欺であると気づきにくい巧妙な手口であると言える。
なぜ第三者に送るのか
一見すると非効率にも思えるこの行為の背後には、ECサイトのレビューシステムの特性を悪用し、不正レビューの信頼性を高めるための周到な戦略が存在。単にレビュー数を増やすだけでなく、そのレビューが実際の購入に基づいているかのように装うことで、プラットフォームの監視を逃れ、消費者を欺くことが目的。
ECサイトにおけるレビューの信頼性を維持するために、多くのプラットフォームはレビュー投稿に一定の要件を設けています。特に、購入履歴と配送完了の記録は、レビューが実際に商品を購入した顧客によって書かれたものであることを保証するための重要な要素。
見知らぬ第三者への配送は、レビューの真正性と信頼性を高める上で重要な役割を果たす。異なる地理的位置に住む個人に商品が配送され、そこから肯定的なレビューが投稿される場合、それはより自然な顧客フィードバックのように見える。もし、出品者の近隣や同一住所から複数の肯定的なレビューが投稿された場合、プラットフォームの監視システムは不審な活動としてそれを検知する可能性が高くなる。第三者への発送は、このような不自然なパターンを避け、検出アルゴリズムを回避するのに役立つ。
ブラッシング詐欺を行う出品者にとって、商品の購入と第三者への発送にはコストがかかるが、このコストは、不正な手段によって得られる利益によって十分に相殺されると考えられる。
要素 | 説明 | 推定コスト/効果 |
---|---|---|
商品原価 | 発送される低価格商品の単価 | 低(例:0.10ドル~1.00ドル) |
配送料 | 第三者住所への配送料 | 中程度(地域や配送業者による) |
偽アカウント作成・管理費用 | 第三者サービスを利用する場合の費用 | 低~中程度 |
販売ランキングの潜在的向上 | 好評レビューによる検索結果順位の向上 | 高(可視性を大幅に向上させる可能性) |
販売量の潜在的増加 | ランキングとレビューの向上による | 高(収益に直接つながる) |
長期的な収益成長 | 人為的に高められた評判による持続的な売上増加 | 潜在的に高 |
ブラッシング詐欺の具体的な例
ある日、あなたは全く見覚えのない海外の業者から、小さな荷物が届いたとする。中身は、例えば安価なアクセサリーであったり、使い捨てのライターであったり、あるいは謎の種子であるかもしれない。送り主の名前には覚えがないものの、あなたの氏名と住所は正確に記載されている。
これは、典型的なブラッシング詐欺の例である可能性が高い。この場合、商品を送り付けた出品者は、あなた宛に商品を発送したという事実を作り出し、その実績に基づいて、あたかもあなたがその商品を購入し、満足したかのように装って、ECサイトに肯定的なレビューを投稿するかもしれない。
過去には、注文した覚えのない植物の種子が海外から大量に送られてくるという事例も報告されている。このケースでは、単にレビューの数を増やしたり、評価を上げたりするだけでなく、生態系への影響やバイオテロのリスクも指摘されており、より深刻な問題として捉えられている。このように、ブラッシング詐欺の手口は多様化しており、注意が必要。
ブラッシング詐欺が発生する手順
- 1個人情報入手
詐欺を行う業者が、ターゲットとなる消費者の個人情報を入手。この情報には、氏名、住所、電話番号などが含まれる。これらの個人情報は、過去に発生した大規模なデータ漏洩事件によって流出したものや、悪質な情報収集業者が不正に集めたものである可能性がある。
- 2アカウント使用
入手した個人情報をもとに、大手ECサイトなどのプラットフォーム上で、架空のユーザーアカウントを作成する。または、既に不正に入手しているアカウントを利用する場合もある 。これらのアカウントは、レビューを投稿するために使用される。
- 3架空の注文
作成または利用したアカウントから、詐欺業者は自社の商品を注文。この際、商品の送り先として、先ほど入手した消費者の個人情報を入力する。実際に消費者に送られる商品は、多くの場合、非常に安価な物であったり、粗悪な品物であったりする。中には、空の荷物が送られるケースも存在する。
- 4偽のレビュー投稿
商品が消費者のもとに届く前、あるいは届いた直後に、詐欺業者は先ほど作成または利用したアカウントから、注文した商品に対する高評価のレビューを投稿する。多くのECサイトでは、実際に商品の配達が完了しなければレビューを書き込むことができない仕組みになっているため、形だけでも商品を発送するという手順を踏む。
- 5高評価獲得
このようにして、自社の商品に肯定的なレビューの数を増やし、評価を向上させることで、他のユーザーからの信頼を得やすくなる。その結果、商品の検索順位が上がり、より多くの消費者の目に触れる機会が増え、最終的には商品の販売促進につながるというわけ。
- 6個人情報の悪用
近年では、さらに巧妙な手口も確認されている。例えば、送り付けられた荷物にQRコードが同梱されており、それを消費者にスキャンさせることで、追加の個人情報を収集したり、悪意のあるウェブサイトへ誘導したりするケースも報告されている。
ブラッシング詐欺による事件
2020年には、アメリカをはじめとする世界各国で、注文していない中国からの謎の種子が大量に郵送されるという事件が発生。この出来事は、ブラッシング詐欺の一環である可能性が高いと指摘され、国際的なニュースにもなった。多くの人が覚えのない種を受け取ったことで、その出所や目的について様々な憶測が飛び交い、社会的な不安を引き起こした。
イギリスの消費者団体Which?が行った調査によると、回答者のうち約4%が、自身または家族が身に覚えのない小包を受け取った経験があると報告されている。この割合を全国規模に換算すると、100万世帯以上がブラッシング詐欺の被害に遭う可能性があるという驚くべき結果が出ている。Which?はこの調査を、ブラッシング詐欺に焦点を当てた初の独自調査であるとしている。
中国・深センのEC業界に詳しい専門家によると、ブラッシング詐欺の手口は10年以上前から存在しており、特に近年、新型コロナウイルス感染症の流行によるオンライン通販の利用拡大に伴い、その活動が活発化しているという。中には、ECサイトの出品者から依頼を受け、組織的にブラッシング詐欺を実行する専門のエージェントも存在し、その手口は広く普及し、巧妙化しているとされている
ブラッシング詐欺についてのよくある質問
- Qブラッシング詐欺で送られてきた商品はどうすればいい?
- A
基本的に、注文していない商品に対して支払い義務は発生しない。送り主から特に連絡がない限り、そのまま放置しても問題ないとされている。ただし、もし送り付けられた商品が植物の種子であった場合は、絶対に開封せずに、最寄りの植物防疫所に相談する必要がある。誤って庭やプランターに植えてしまうと、生態系に悪影響を及ぼす可能性がある。
- Qブラッシング詐欺によって代金を請求されることはある?
- A
一般的に、ブラッシング詐欺の主な目的はレビューの操作であるため、代金が請求されることは少ない。しかし、「送り付け商法」と呼ばれる類似の手口が存在する。これは、注文していない商品を一方的に送り付け、受け取った側が明確に断らない限り、購入したものとみなして代金を請求するというものである。したがって、身に覚えのない商品が届いた場合は、念のため注意が必要。
- Qなぜ自分の個人情報が詐欺業者に知られているのか?
- A
あなたの個人情報が詐欺業者の手に渡った原因として、過去に利用したECサイトやサービスからの情報漏洩が考えられる。また、悪質な業者が何らかの方法で個人情報を収集し、それを悪用している可能性も否定できない。
- Qブラッシング詐欺の被害に遭わないためにはどうすればいい?
- A
定期的に自身のオンライン通販の注文履歴を確認し、身に覚えのない購入がないかをチェックすることが重要である。もし不審な荷物が届いた場合は、安易に荷物に記載されているQRコードをスキャンしたり、送り主の連絡先に問い合わせたりしないように注意する。個人情報が既に漏洩している可能性があるため、利用しているオンラインアカウントのパスワードをより強固なものに変更し、可能であれば二段階認証を設定するなどのセキュリティ対策を講じることが推奨される
ブラッシング詐欺が生まれた歴史や背景
ブラッシング詐欺がいつ頃から始まったのかを正確に特定することは難しいが、インターネット通販と、商品レビューの評価システムが広く普及し始めた時期から存在していたと考えられる。オンラインでの取引が一般的になるにつれて、出品者間の競争が激化し、少しでも有利に販売を進めようとする動きが、このような不正なレビュー操作の手法を生み出した背景にあると言える。
特に、近年、国境を越えた電子商取引(越境EC)が盛んになるにつれて、海外の出品者が自社の販売実績や顧客からの評価を不正に操作する目的で、組織的にブラッシング詐欺を行うケースが増加している。地理的な距離があるため、摘発が難しいという側面も、この種の詐欺が広がる一因となっていると考えられる。
SNSの普及も、ブラッシング詐欺の手口に影響を与えている可能性がある。SNSを通じて個人情報が拡散しやすくなったことや、SNS上での口コミや評価が購買行動に与える影響力が大きくなっていることを利用した、より巧妙な手口が出現している可能性も考えられる。
ブラッシング詐欺の被害にあってしまいやすい人物や状況
身に覚えのない商品が自宅に届いたとしても、荷物に記載されている連絡先に安易に問い合わせることは避けるべき。問い合わせることで、相手に自分の個人情報が本物であることを知らせてしまい、さらなる詐欺や悪質な勧誘につながる可能性がある。
もし送り付けられた商品が植物の種子であった場合は、絶対に自分で開封したり、庭やプランターに植えたりしてはいけない。これらの種子が、国内に存在しない病害虫を含んでいる可能性や、生態系に悪影響を与える危険性があるため、送られてきたそのままの状態で、最寄りの植物防疫所に相談することが重要。
不審な荷物が届いた場合、自身の個人情報が既に第三者に知られている可能性を認識し、他のオンラインサービスのアカウントに不正なアクセスがないか確認することが大切。念のため、パスワードの見直しや、よりセキュリティの高い二段階認証の設定を検討するなどの対策を講じるべき。
無料の商品が送られてきたことに安易に喜ぶのではなく、なぜ自分の情報が漏洩し、このような事態になったのかという視点を持つことが重要。この経験を教訓として、今後の情報管理やオンラインサービスの利用方法について改めて考える良い機会と捉えるべきである
ブラッシング詐欺と送り付け商法の違い
- ブラッシング詐欺:主な目的は、ECサイトでのレビュー評価を不正に操作することであり、商品を受け取った消費者に対して金銭を要求することはほとんどない。
- 送り付け商法:消費者が注文していない商品を一方的に送り付け、購入の意思がない場合でも、後から代金を請求する手口。両者は、消費者に身に覚えのない商品が届くという点は共通しているが、その目的と事後の展開には違いがある。
項目 | ブラッシング詐欺 | 送り付け商法 |
---|---|---|
目的 | ECサイトでのレビュー評価を不正に操作し、販売実績を水増しすること | 注文していない商品を一方的に送り付け、受け取った人が明確に断らなければ購入したものとみなし、代金を請求すること |
金銭の要求 | 一般的に、商品を送り付けた消費者に対して金銭を要求することは少ない | 後から代金を請求する |
商品 | 安価な商品や粗悪な品物、時には全く価値のない物 | 様々な商品が送られる可能性がある |
対処法 | 基本的に支払い義務はない。送り主からの連絡がない限り、放置しても問題ないとされる。植物の種子の場合は植物防疫所に相談 | 受け取り拒否をする。受け取ってしまった場合でも、代金の支払い義務はない。不安な場合は消費生活センターへ相談 |
個人情報悪用の可能性 | 個人情報が詐欺業者に知られている可能性があり、注意が必要 | 発送元に連絡した際に個人情報を取得される可能性がある |
ブラッシング詐欺のまとめ
- ブラッシング詐欺は、注文していない商品が一方的に送られてくる詐欺の手口であり、主にインターネット通販のレビュー評価を不正に操作する目的で行われる
- 不審な荷物が届いた場合は、個人情報漏洩のリスクを考慮し、安易に連絡先に問い合わせたり、QRコードをスキャンしたりせず、パスワードの変更などのセキュリティ対策を講じることが重要である
- もし植物の種子が送られてきた場合は、絶対に開封せずに植物防疫所に相談する

以上、ブラッシング詐欺についてでした!これで、ブラッシング詐欺はあなたの知識となりましたか?
被害にあわないように対策しましょう。まだまだ足りないという方は、コメントをぜひください。お待ちしております。
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