- 無料で点検すると言葉巧みに消費者に近づいてくる
- 不安を煽って本来不要な高額な契約を結ばせる悪質な詐欺の手口
- 高齢者をターゲットにした事例が多い

もっとくわしく知りたい方は続きをどうぞ!
点検商法の目的と基本的な手口
点検商法とは
点検商法の主な目的は、消費者が本来必要としていない工事や高額な商品を契約させることで、不当な利益を得ること。 これらの業者は、消費者の住居に様々な口実で上がり込み、実際には問題がない箇所や、軽微な不具合をあたかも重大な欠陥であるかのように誇張して説明してくる。そして、「今すぐ修理しないと大変なことになる」「このままでは危険だ」といった言葉で消費者の不安を煽り、冷静な判断力を奪った上で、高額な契約へと誘導。
点検商法の具体的な例
点検商法には様々な種類があり、手口も巧妙化している。ここでは、代表的な例とその具体的な事例を解説。
- 屋根点検:屋根の瓦のずれやひび割れなどを指摘し、「このままでは雨漏りの危険がある」「すぐに修理が必要だ」と不安を煽り、高額な工事契約を迫る手口。
- 床下点検:「床下が湿っている」「シロアリがいる」などと嘘の情報を伝え、床下換気扇や除湿剤、シロアリ駆除などの不要な工事を勧める手口。
- 給湯器・換気扇などの設備工事:給湯器や換気扇の寿命が近い、故障すると危険だと嘘をつき、高額な修理や交換を提案する手口。
- 布団のダニ点検:「布団にダニが多いと健康に悪い」などと不安を煽り、高額な布団の購入やクリーニングサービスを契約させる手口。
最近では「点検」という言葉を使わない訪問も
「無料の修理サービスです」などと言って家に上がり込み、「不具合が見つかった」と報告し、無料サービスで修理を行うと見せかけて工事や商品の契約を勧める手口。最終的には作業後に高額な費用を請求する悪質なケースもある。
火災保険の利用を勧誘する事例
「近所で工事をしている」「最近災害があった」などと言って訪問し、住宅の屋根などの点検後に、「火災保険を使えば無料で修理できる」と勧誘する手口。実際には保険金が下りなかったり、高額な手数料を請求されたりするトラブルの報告あり。
点検商法の手順
- 1突然の訪問や電話
業者は、事前に連絡することなく突然消費者の自宅を訪問したり、「近所で工事をしている」「無料で点検キャンペーンを実施している」などと電話をかけてくる。
- 2「無料点検」の誘い
「無料で点検します」「安全点検に来ました」などと、点検を無料で行うことを強調し、消費者の警戒心を解こうとする。
- 3不安を煽る説明
実際に点検を行った後(あるいは点検したふりをして)、屋根、床下、水回りなどの不具合を指摘し、「このままでは大変なことになる」「すぐに修理が必要です」などと消費者の不安を煽る。
- 4証拠の提示(偽写真や誇張された説明)
業者は、あたかもその場で撮影したかのような屋根の破損写真や、専門用語を多用したわかりにくい説明を用いて、消費者に修理の必要性を信じ込ませようとする。実際には、事前に用意した別の家の写真を使ったり、小さな傷を大きく見せたりする手口も存在。
- 5契約の強要と即決の要求
「今日契約すれば特別価格にする」「今すぐ修理しないと手遅れになる」などと言って、消費者に考える時間を与えず、その場で契約するように迫る。
- 6高額な契約と不必要な工事
消費者が契約してしまうと、実際には必要のない工事を高額な料金で契約させたり、ずさんな工事を行って法外な料金を請求。
- 7追加工事や更なる契約の勧誘
一度契約してしまうと、その消費者は「騙しやすい」とみなされ、別の箇所にも不具合があると指摘して追加工事を迫ったり、新たな商品の購入を勧誘したりするケースがある。
点検商法による事件
点検商法は、後を絶たない悪質な詐欺であり、社会問題となっている。過去には、以下のような有名な事件が発生。
2024年には、匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」のリーダーとみられる男が、屋根の点検商法の疑いで逮捕。このグループはSNSなどで実行役を集め、「稼げるバイト」と高給を謳って勧誘を行っていた。被害者は京都府などで220人以上確認されており、このリフォーム会社は工事代金として少なくとも2億8千万円を売り上げたとされている。業者は、屋根の修繕工事を契約する際にクーリングオフの説明を故意に行わなかった疑いなどが持たれている。
過去には、床下換気扇の点検商法で高額な契約を迫る事件が多発。これらの事件では、高齢者がターゲットにされることが多く、「床下が湿っている。換気扇をつけないと家が駄目になる」などと嘘をついて不安を煽り、本来不要な床下換気扇を高額で販売・設置。一度被害に遭うと、次々と別の工事や商品を勧められることも多く、社会問題となった。
消火器の点検商法に関する事件も報告されている。事業所を対象に、「消防署から来た」などと身分を偽って訪問し、強引に消火器のリース契約を結ばせたり、薬剤の詰め替え費用として高額な料金を請求する手口。これらのケースでは、被害者が一般消費者だけでなく、事業者である場合もあり、特定商取引法に基づくクーリングオフ制度が適用されることもある。
事件概要 | 手口 | 判決・結果 | 裁判所 |
---|---|---|---|
屋根修理を装い屋根を意図的に損傷させた業者に対する損害賠償請求 | 無料点検を装い屋根に上り、屋根材を剥がして写真を撮影し、高額な修理契約を締結させた | 業者の故意による損傷を認定し、損害賠償請求を認容 | 横浜地方裁判所 令和5年3月17日判決 |
高齢者に対する床下換気扇等の点検商法 | 床下の無料点検を口実に訪問し、「床下が湿っている」などと嘘を言って不安を煽り、高額な床下換気扇を販売・設置 | 販売店に対して原状回復を、信販会社に対して債務不存在確認を命じた | 大阪高等裁判所 平成17年3月10日判決 |
消火器の訪問販売 | 従前から継続的取引のある消火器点検業者であるかのように装い、事情のわからない被害会社従業員を騙して契約させ、即時に消火器を搬出 | 事業者間の訪問販売取引にもクーリングオフの適用がある旨判断し、訪問販売により締結に至った本件消火器薬剤充填契約は書面不備のためクーリングオフは有効であるとして被害会社を勝訴 | 大阪高等裁判所 平成15年7月30日判決 |
投資用マンションの点検商法 | 「購入すれば確実に利益が出る」「価格は下がらない」「空き室となることはない」などと勧誘 | 詐欺にあたるとして勧誘会社らの共同不法行為に基づく損害賠償請求を一部認容 | 東京地方裁判所 平成28年9月5日判決 |
点検商法についてのよくある質問
- Q点検商法とはどんな手口?
- A
「無料点検」などと称して消費者の家を訪問し、実際には問題がない箇所に不具合があると嘘をつき、高額な修理や商品の契約を迫る手口。
- Qどんな種類の点検が多い?
- A
屋根、床下、給湯器、換気扇、布団などの点検を装った手口が多く報告されている。最近では、「点検」という言葉を使わないケースもある。
- Q点検商法に遭わないためにはどうすればいい?
- A
突然の訪問や電話には警戒し、その場で契約せず、必ず家族や信頼できる人に相談。複数の業者から見積もりを取ることも有効。少しでも不安を感じたら、きっぱりと断ることが重要。
- Qもし契約してしまったらどうすればいい?
- A
訪問販売の場合、契約書を受け取ってから8日以内であればクーリングオフが可能。期間を過ぎても、契約内容や勧誘方法に問題がある場合は、契約の取り消しを主張できる可能性あり。早めに消費生活センターや弁護士に相談するべき。
- Qクーリングオフはできる?
- A
訪問販売に該当する点検商法で契約した場合、原則として8日間のクーリングオフ期間あり。書面または電磁的方法で通知する必要がある。
- Qどこに相談すればいい?
- A
消費生活センター(消費者ホットライン188)、弁護士会、警察などに相談。特に、不当な契約をしてしまった場合は、早めに専門機関に相談することが大切。
点検商法が生まれた歴史や背景
点検商法は、2000年代初頭から高齢者などをターゲットに増加傾向が見られた。 特に、住宅リフォーム、床下の防湿・耐震工事などを中心に被害が拡大。
この手口は、悪徳商法の一種として以前から存在していたが、社会の変化や消費者の知識不足につけ込み、時代とともにその手口は巧妙化している。
2006年には改正消防法が施行され、新築住宅への住宅用火災警報器の設置が義務付けられた。この際、既存住宅への設置義務には猶予期間があったにもかかわらず、あたかも義務であるかのように装い、高値で火災警報器を強引に販売する点検商法が発生。
近年では、新型コロナウイルスの感染拡大により人々の在宅時間が増加したことや、自然災害の頻発による防災意識の高まりを背景に、屋根の点検商法に関する相談件数が増加する傾向あり。災害後の消費者の不安な心理を利用し、無料点検を口実に高額な修理契約を結ばせる手口が目立っている。
点検商法の被害にあってしまいやすい人物や状況
点検商法は、特定の人物や状況を狙って行われる傾向がある。以下のようなケースでは特に注意が必要。
一人暮らしの高齢者は、社会とのつながりが少なく、孤独を感じやすいことから、親切な言葉をかけてくる業者を信用してしまいがち。また、判断力や情報収集能力が低下している場合もあり、悪質な勧誘に気づきにくいことがある。築年数の長い住宅は、老朽化している箇所がある可能性が高いため、点検の必要性を感じやすく、業者の言葉を信じやすい傾向。台風や地震などの自然災害が発生した直後は、消費者の不安が高まっているため、悪質な業者が「修理が必要だ」と近づいてくるケースが増加。判断力や警戒心が低い人も、業者の巧妙な手口に騙されやすい傾向がある。
点検商法のまとめ
- 点検商法は、消費者の不安を煽り、不必要な契約を結ばせる悪質な手口
- この記事で解説した手口や対策を参考に、被害に遭わないように十分注意する
- もし被害に遭ってしまった場合は、一人で悩まずに消費生活センターや弁護士などの専門機関に相談することが大切

以上、点検商法についてでした!これで、点検商法はあなたの知識となりましたか?
被害にあわないように対策しましょう。まだまだ足りないという方は、コメントをぜひください。お待ちしております。
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