- 不動産の所有者になりすました詐欺師
- 偽装した書類を作り所有権を主張する
- 被害者は不動産を入手できず多額の金銭を奪われる

もっとくわしく知りたい方は続きをどうぞ!
地面師をわかりやすく
地面師とは何か
地面師とは、不動産取引において、本来の所有者になりすまして土地などの売却を持ちかけ、買主から代金を騙し取る詐欺を行う者のことである。この詐欺は単独で行われることは少なく、多くの場合、役割を分担した組織的なグループによって実行される。中には、弁護士や司法書士といった専門家が加担することもあり、その巧妙な手口から詐欺であることを見抜くのは非常に困難とされている。地面師の主な特徴は以下の通り。
- 不動産の所有者になりすました詐欺師
- 偽装した書類を作り所有権を主張する
- 被害者は不動産を入手できず多額の金銭を奪われる
この手口は、企業だけでなく個人もターゲットとなる可能性があり、不動産取引に関わる全ての人が注意すべき犯罪。複数の情報源が、なりすましと金銭的利益の獲得を地面師詐欺の核心として指摘しており、これは確立された犯罪の手口であることを示唆している。また、専門家が関与するケースがあることは、詐欺の手口が洗練されており、表面的には合法的な取引に見せかける意図があると考えられる。企業だけでなく個人も標的になるという点は、この詐欺が広範囲に及ぶ脅威であることを示している。
地面師の目的と基本的な概念
地面師の主な目的は、偽の不動産売買契約を通じて不正に利益を得ることである。彼らは、あたかも自分がその不動産の所有者であるかのように振る舞い、買主を信用させて不動産を購入させ、その代金を騙し取る。地面師という言葉の由来は、「じめん」つまり土地に関する詐欺を働くことに由来する。 基本的な概念としては、まず地面師はターゲットとなる不動産を選定する。狙われやすいのは、所有者がはっきりしない、相続などで権利関係が複雑になっている、長期間放置されている空き家や空き地などである。次に、不正に入手した個人情報をもとに、身分証明書や登記関連書類などを精巧に偽造する。そして、グループのメンバーが所有者になりすまし、買主と売買契約を結び、代金を受け取るとすぐに逃亡する。場合によっては、実際には存在しない架空の物件を売却対象として提示することもある。 「地面師」という名称が土地に特化した詐欺を意味することは、その手口が不動産という具体的な資産を対象としていることを明確に示している。なりすましと偽造書類の組み合わせは、取引の正当性を装うための重要な要素であり、買主を欺く上で効果的な手段となる。架空の物件を扱うケースがあることは、地面師が単に既存の不動産を悪用するだけでなく、全くの虚偽に基づいて詐欺を働く可能性も示唆しており、より一層の注意が必要。地面師による事件
地面師による詐欺事件は、過去に多くの事例が存在する。特に有名なのは、大手企業が巨額の被害に遭ったケース。
- 積水ハウス地面師詐欺事件 : 2017年、大手住宅メーカーの積水ハウスは、東京都品川区にあった元老舗旅館「海喜館」の跡地約600坪を分譲マンション用地として購入しようとした際、地面師グループに約55億5千万円を騙し取られた。地面師は、高齢の女性になりすまして積水ハウスと売買契約を締結し、代金を受け取った後、その女性が実際には土地の所有者ではなかったことが発覚した。この事件は社会に大きな衝撃を与え、Netflixでドラマ化もされた。
- アパホテル地面師詐欺事件 : 2016年には、ホテルチェーンのアパホテルが、東京都港区赤坂の一等地にある駐車場約120坪の購入を巡り、地面師グループに約12億6千万円を騙し取られた。この事件では、亡くなった土地所有者の兄弟になりすました地面師が、偽造された住民基本台帳カードなどを使用してアパホテルと売買契約を成立させた。
- 個人の住み替え詐欺 : 企業だけでなく、個人が地面師の被害に遭うケースもある。例えば、住み替えのために家を売却した際、仲介業者が実は詐欺グループの一員で、売却代金の振込先を隠し口座に変更し、そのまま逃亡するという事例も報告されている。
- 資産家女性白骨化遺体事件 : 2016年、東京都新橋で発生した事件では、資産家の60代女性が地面師グループに拉致され、行方不明となっている間に、彼女の所有するビルが何度も不正に転売され、登記も書き換えられた。その後、女性の遺体が自宅と隣家の隙間で発見されるという悲惨な事件も起きている。
- 整形手術によるなりすまし : 2020年には、東京都港区の高級住宅地を巡る地面師事件で、地面師グループが所有者になりすますために整形手術まで行ったという事例が報告されている。
これらの事例から、地面師の手口は非常に巧妙であり、大手企業でさえも被害に遭う可能性があることがわかる。また、個人も決して安全ではなく、様々な形で詐欺のターゲットになり得る。積水ハウスやアパホテルのような大企業が騙された事実は、地面師の手口がいかに巧妙であるかを示すとともに、不動産取引における厳重な確認体制の必要性を強く示唆している。個人の住み替え詐欺の例は、日常的な取引にも危険が潜んでいることを示唆しており、誰もが注意を払う必要がある。資産家女性の事件は、地面師の犯罪が単なる金銭詐欺に留まらず、より深刻な事件に発展する可能性を示唆している。整形手術によるなりすましの事例は、地面師がなりすまし工作にどれほどの労力を費やすかを示しており、従来の本人確認方法だけでは限界があることを示唆している。
地面師が発生する手順を順番に解説
- 1ターゲットとなる不動産の選定
まず、地面師グループは詐欺の対象となる不動産を選定する。所有者が不在、高齢で施設に入居中、死亡しており遺族が不明、抵当権がついていない、登記上誰も住んでいないなど、管理が行き届いていない、または所有者の特定が難しい不動産が狙われやすい 。特に、都心の一等地や収益性の高い物件はターゲットになりやすい傾向がある 。
- 2所有者情報の入手
ターゲットとなる不動産を決定したら、次に所有者の情報を入手する。登記簿謄本などの公的記録はもちろん、近隣住民への聞き込み、行政や不動産会社への接触など、あらゆる手段を用いて情報を収集する 。
- 3精巧な偽造書類の作成
入手した所有者の情報をもとに、不動産取引に必要な身分証明書(運転免許証、住民票、パスポートなど)、印鑑証明書、権利証、登記書類などを精巧に偽造する 。最近では、デジタル技術の進歩により、専門家でも見抜けないほど精巧な偽造書類が作成されることもある 。偽造された運転免許証を使って印鑑を新たに作り、印鑑証明書を再登録するケースもある
- 4不動産所有者へのなりすまし
偽造書類が揃ったら、地面師グループのメンバーの一人が所有者本人になりすます 。年齢や特徴が本人に近い人物を選び、メイクや服装を似せるだけでなく、家族構成、生活スタイル、交友関係まで徹底的に調査し、自然な会話ができるように準備することもある 。
- 5買主との交渉と売買契約の締結
所有者になりすました地面師は、買主と不動産売買契約を結ぶ 。相場よりやや低い金額を提示して買主の気を引いたり、海外移住や借金返済などの理由をつけて取引を急がせたりすることが多い 。また、偽の仲介業者や司法書士を立てて、買主を信用させることもある
- 6代金の受け取りと逃亡
無事に売買契約が成立し、代金を受け取ったら、地面師グループはすぐに逃亡する 。代金は複数の口座に振り込ませたり、現金での取引を希望したりすることが多い 。買主が法務局で登記をしようとした際に、初めて詐欺に気づくケースも少なくない 。
地面師の巧妙な手口は、周到な準備と役割分担によって支えられている。ターゲット選定の段階で、詐欺が発覚しにくい物件を慎重に選ぶことが、彼らの成功の鍵となる。偽造書類の精巧さは、専門家でさえ欺くほどであり、技術の進歩がその精度を高めている。なりすまし役の徹底的な準備は、買主の疑念を払拭し、取引をスムーズに進める上で不可欠。取引を急がせるのは、買主が冷静な判断をする時間を与えず、詐欺を見抜かれるリスクを減らすための常套手段。代金を受け取ると同時に逃亡するという行動は、逮捕を逃れ、被害金の回収を困難にするためのもの。
地面師についてのよくある質問
- Q個人でも地面師詐欺の被害に遭う可能性はあるか?
- A
はい、大手企業だけでなく、個人も地面師詐欺の被害に遭う可能性は十分にあります 。個人は企業に比べて不動産取引の経験が少ない場合が多く、詐欺の手口を見抜くのが難しいことがあります。また、相続などで権利関係が複雑になっている不動産を所有している場合、地面師に付け込まれやすい傾向があります 。
- Q地面師に狙われやすい不動産の特徴は?
- A
地面師は、主に以下のような不動産を狙います :
- 長期間放置されている更地や空き家
- 所有者が高齢で管理が行き届いていない土地や建物
- 相続登記が未了で放置されている不動産
- 抵当権が設定されていない無借金の物件
- 所有者が施設に入居している、または海外に住んでいるなど不在の物件
- Q登記情報をきちんと見れば見破れるのでは?
- A
必ずしもそうとは言えません 。地面師は、登記簿謄本などの公的書類も精巧に偽造するため、登記情報だけでは詐欺を見抜けない場合があります 。なりすまし役が本物の所有者として振る舞うため、登記情報と偽造された本人確認書類を見比べても、それが詐欺だと気づくことは困難です 。
- Q地面師にだまし取られたお金は、買主のもとに戻ってこないケースが多い?
- A
はい、だまし取られたお金が買主のもとに戻ってくるケースは非常に少ないのが現状です 。地面師は、代金を受け取るとすぐに逃亡し、海外に逃れることもあります 。また、詐取した資金はすぐに複数の口座に分散されたり、組織内で分配されたりするため、回収は極めて困難です 。民事訴訟を起こして勝訴しても、相手に資産がなければ賠償金を取り戻すことは難しいでしょう 。
- Q地面師詐欺に遭ってしまった場合の対処法は?
- A
万が一、地面師詐欺に遭ってしまった場合は、すぐに警察に被害届を提出し、弁護士に相談することが最も重要です 。地面師は組織的に活動していることが多く、時間が経つほど証拠の隠滅や犯人の逃亡のリスクが高まります 。早期に法的手続きを開始することで、不正に取得された不動産の権利を取り戻せる可能性も高まります 。また、関係する金融機関や不動産業者にも連絡を取り、被害状況を伝えることが大切です 。
- Q地面師詐欺を防ぐための対策は?
- A
面師詐欺を防ぐためには、以下の対策が有効です
- 売主の本人確認を徹底的に行う : 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど、複数の顔写真付き身分証明書を提示してもらい、記載内容が一致するか確認する 。可能であれば、公的機関で書類の真偽を確認する 。
- 信頼できる不動産業者や専門家(弁護士、司法書士)に相談する : 取引の安全性を高めるために、専門家の意見を聞き、契約書の内容をチェックしてもらう 。売主側が指定するのではなく、自分で信頼できる専門家を選ぶことが重要 。
- 取引を急かされる場合は特に注意する : 地面師は、買主に冷静な判断をさせないために、契約や決済を急がせる傾向があります。少しでも不審に感じたら、その場で契約せずに、一旦立ち止まって専門家に相談しましょう 。
- 不動産の現地を必ず確認する : 可能であれば、時間帯を変えて複数回訪問し、周囲の状況なども確認しましょう 。
- 所有者本人と直接会って話をする : 面談を予定していたのに急に会えなくなったなどの場合は注意が必要です 。会話の中に不自然な点がないか、所有者の隣人に話を聞くなども有効です 。
- 不動産登記簿を事前に確認する : 管轄の法務局で登記簿謄本を取得し、記載されている所有者と実際の所有者が一致しているか確認しましょう 。固定資産税の納税証明書を確認することも有効です。
- 取引会社の調査を徹底する : 新規に取引を開始した仲介業者やブローカーは警戒が必要です 。法人登記などを過去まで遡って取得し、不自然な点がないか確認しましょう 。
地面師が生まれた歴史や背景
地面師による不動産詐欺は、日本において長い歴史を持つ 。初めてその存在が公に知られたのは明治時代に遡ると言われている 。当時の不動産市場はまだ未整備で、土地の所有権に関する記録も不完全であったため、偽の地主を作り出して土地を売却する犯罪が横行した 。
その後、戦後の混乱期には、空襲などにより登記所を含む役所の書類が焼失したり、所有者が死亡して権利関係が不明確になったりする事例が多発した 。このような状況下で、なりすましが容易となり、地面師による被害が多発した。
1980年代後半から1990年代初期のバブル経済期には、地価が急騰し、大きな利益が得られることから、再び地面師による詐欺が増加した。この時期には、高額な土地を巡って詐欺行為が頻発し、社会問題として取り上げられることも多かった。
その後、登記簿や印鑑証明など権利関係の移転に必須な書類の電子化が進み、他人へのなりすましはより困難になってきている。しかし、近年においても、2017年の積水ハウス地面師詐欺事件のように、巧妙な手口による巨額の被害が発生しており、依然として警戒が必要。
地面師の活動は、社会の混乱期や経済の変動期に活発になる傾向が見られる。戦後の混乱期は、法制度の脆弱性が悪用された典型的な例。バブル期には、高騰する地価が不正な利益を求める者たちを惹きつけた。近年においても、技術の進化とともに偽造の手口も巧妙化しており、登記制度の電子化が進んだ現在でも、油断はできない。積水ハウス事件は、現代においても高度な手口による地面師詐欺が存在することを示唆している。
地面師の被害にあってしまいやすい人物や状況
地面師の被害に遭いやすい人物や状況には、いくつかの特徴がある。
- 高齢者 : 認知機能の低下や判断力の鈍りから、詐欺の手口に気づきにくい場合がある。
- 相続物件の所有者 : 相続登記が済んでいないなど、権利関係が複雑な場合、地面師が介入しやすい。
- 不在地主 : 遠方に住んでいるため、不動産の管理が行き届かず、異変に気づきにくい。
- 空き家や空き地の所有者 : 長期間放置されている場合、所有者の関心が薄いと見なされやすい。
- 抵当権のない無借金物件の所有者 : 金融機関のチェックが入らないため、第三者の目が届きにくい。
- 取引を急かされている状況 : 他の買い手がいるなどと言われ、冷静な判断をする時間を与えられない場合。
- 売主と直接会えない、または会わせてもらえない状況 : なりすましの可能性があるため、注意が必要。
- 相場よりも極端に安い物件 : 魅力的に見えるが、詐欺の可能性がある。
- 不審な仲介業者やブローカーの介入 : 実態が不透明な業者には注意が必要。
- 決済方法として現金を要求される場合 : 追跡が難しいため、警戒すべき。
これらの点に注意し、少しでも不審に感じたら、すぐに信頼できる不動産業者や専門家、警察に相談することが重要である。特に、高齢者や相続物件の所有者は、周囲のサポートを得ながら慎重に取引を進めることが望ましい。
地面師のまとめ
- 地面師は、不動産の所有者になりすまし、偽造書類を駆使して高額な代金を騙し取る組織的な詐欺師
- 空き家や相続物件など、管理が行き届いていない不動産や、取引を急かす、本人確認を曖昧にするなどの不審な兆候には特に注意し、信頼できる専門家への相談を怠らないことが重要
- 地面師詐欺は、過去に何度も繰り返されてきた犯罪であり、手口も巧妙化しているため、常に最新の情報に注意を払い、少しでも不審に感じたら警察や専門機関に相談することが被害を防ぐための最も重要な対策

以上、地面師についてでした!これで、地面師はあなたの知識となりましたか?
被害にあわないように対策しましょう。まだまだ足りないという方は、コメントをぜひください。お待ちしております。
コメント