- 映画の素材を無断使用し、10分程度にまとめた動画をYouTubeにアップロード
- ファスト映画の再生回数は合計1000万以上で、視聴者が映画本編を見なくなり20億円の損害となった
- ファスト映画を作った男女3人組が、著作権法違反で逮捕、民事訴訟で5億円請求された
あなたはファスト映画を見たことがありますか?実はわたしは見たことがあります。YouTubeのタイムラインに出てきて、映画の宣伝用のチャンネルなのかと思い見てしまいました。動画のクオリティは高かったと記憶してます。素材がいいので当然ですが、編集技術もあったんだと思います。
その後、ファスト映画だということを知りました。この事件がニュースになってからは、ファスト映画のチャンネルは見かけてないですが、まだあるのでしょうか?
今回は、ファスト映画で日本初逮捕、総再生回数1000万以上、損害額20億円といわれる事件を紹介します。
ファスト映画事件の概要
この事件の犯行グループは、主犯の男と同居していた女ともう1人の男の3人組。犯行内容は、映画の映像や画像を無断使用し10分程度にまとめ、字幕、ナレーションをつけて、映画の内容が分かるように編集された動画をYouTubeにアップロードする。アップロードされた動画の視聴者は、映画の本編を見なくてもよくなり、そこから収入を得ていた人たちに、約20億円の損害をあたえたので、男女3人組は逮捕されて有罪判決になり、5億円の損害賠償請求をされた。広告収入は実際には700万円ほど。
会社 | 作品 |
---|---|
アスミック・エース株式会社 株式会社KADOKAWA ギャガ株式会社 松竹株式会社 株式会社TBSテレビ 東映株式会社 東映ビデオ株式会社 東宝株式会社 日活株式会社 日本テレビ放送網株式会社 株式会社ハピネットファントム・スタジオ 株式会社フジテレビジョン 株式会社WOWOW |
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ファスト映画事件の時系列
- 2020年ファスト映画チャンネルの運営開始
男女3人組が広告収入を目的に、映画の重要なポイントを視聴者に伝える独自のエンタメという考えのもと、約10分程度の動画を作成し、YouTubeにアップロードし始める。「ポケットシアター」、「【映画紹介】パンフレットムービー」など複数のチャンネルを運営。
広告収入が入ってきたので、タワーマンションに引っ越すことを考えていた。
- 2021年6月男女3人組逮捕
- 2021年11月有罪判決
ファスト動画の著作権法違反裁判で初めて有罪判決
- 2022年5月損害賠償請求される
男女3人組に総額5億円の損害賠償を求める訴えを起こす
- 2022年11月損害賠償請求を命じる判決が下る
主犯の男と同居していた女に対して賠償を命じる判決が下る。2023年8月、残りの男についても賠償を命じた。3人の賠償の合計が5億円。
ファスト映画犯人の主張
「引用の範囲内」や「YouTubeのContent IDがある」などの違法ではないと主張。
ファスト映画では引用の範囲といわれる次元を超えた映像と画像が使用されている。
YouTubeには、音楽や映像の特徴を割り出して、著作権者に収益が還元される仕組みのContent IDというものがあるけど、Content IDは、著作権者に許可されてる、違法ではないという判断をするものではない。しかも全ての著作権者がYouTubeに対して許可してるわけではないので、これに当てはまらない違法アップロードが多数ある。音楽はContent IDを許可してる著作権者が多いので、使用してても問題になってないもよう。
ファスト映画の被害額
被害を受けた映画制作会社13社によると被害額は20億円で
400(レンタル料) ‐ 200(手数料諸々+全体でない分の考慮) = 200円
200円 × 1000万 = 20億円
この計算が正しいかはわからないけど、それくらいインパクトはあったのでしょう。
ファスト映画を見た人
ファスト映画のような違法にアップロードされた映画を視聴することは、著作権法違反に該当する可能性があるので注意を。著作権法第119条で「自らの業務として又は反復して著作権を侵害する行為」を処罰する規定があり、違法にアップロードされた動画を繰り返し何回も視聴していた場合はこれにあたるかも。
1回だけの視聴であれば、通常は処罰の対象とはならないと考えられているけど、権利者からの警告を無視して視聴を続けた場合は逮捕されるかも。
ファスト映画事件まとめ
- 映画の映像や画像を無断使用し、10分程度にまとめた動画をYouTubeにアップロードして、映画配給会社に20億円の損害をあたえた、男女3人組が、著作権法違反で逮捕、民事訴訟で5億円請求された事件
- 2020年から複数のファスト映画YouTubeチャンネルを運営して、広告収入が700万円ほど入ってきたので、タワーマンションに引っ越そうと考えたけど、その前に逮捕された
- 「引用の範囲内」や「YouTubeのContent IDがある」などの独自の解釈をしても違法は違法
ファスト映画事件からの教訓
著作権違反してる動画はYouTubeも含め動画投稿サイトには多いです。そういう動画の投稿者たちは著作権を無視、知らない、理解してない、独自の解釈をしている、なんだと思います。ファスト映画で大きなニュースになって大きい賠償金命令が出ましたけど、一歩間違えれば自分たちもありえる話です。人の制作物と著作権法を甘く見ずに、法律の範囲内で動画を作りましょう。
違法アップロードと分かって見ている人も違法になる可能性あるので気をつけてください。
この事件をまとめた動画のYouTubeコメント欄に「色々な素材を切り貼りしてるけど許可取ってんの?」と、コメントありましたが、私の運営しているYouTubeチャンネルでは、商用利用許可の無料素材、サブスク登録しているサービスの素材、著作権の期限切れした素材を使用しています。それと、このアニメアイコンは利用規約に商用利用許可のあるAIサービスで作成しているものです。コンテンツ制作者として著作権は常に気をつけてます。
ファスト映画事件についてご理解いただけましたでしょうか。わからないことや疑問点があれば、ぜひコメント欄で質問してください。より適切な情報を提供できるように、記事を読んだ生の声を聞かせていただきたいです!
以上、ファスト映画事件についてでした。このな事件から学ぶべき点は多くあります。コメント欄にご意見ご感想、詐欺の体験談などを心よりお待ちしております!!
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